4月15日に国会議員300人がすべて入れ替わる総選挙を控えた韓国では、新生政党が続々と誕生している。その内の一つで、「女性に関する議題」だけを掲げ続けることを目標にした政党が「女性の党」だ。
2月初頭に結党準備を始めた同党は順に5つの地域で市道党を結成し、3月8日の世界女性の日に会わせ結党大会を行い、正式に発足した。
しかし、同党が行った資金集めの広告が話題を呼んでいる。
3月10日、党の公式ツイッターを通じ、韓国の著名な女性企業家に向けたバナー広告を広めた。
例えば、「麻浦・汝矣島の建物主急募。女性の党の党舎を構えられるように3か月だけ貸してください。あなたの空室を未来の権力で埋めてください」、「李美卿(イ・ミギョン)副会長様!次は女性監督の番です。1億ウォンだけただきます。韓国の女性の未来に投資してください」というものだ。
李美卿副会長とは、韓国の財閥企業CJグループ副会長を指す。同氏は先日、作品賞をはじめアカデミー賞4部門を受賞した『パラサイト』の総括制作者でもある。普段から文化人への手厚い支援で知られ、授賞式で喜ぶ姿が話題になりもした。

「女性の党」は、一連の募金を「15億ウォン総選挙ファンディングプロジェクト」や「総選挙準備48億ウォン『ギブミー』プロジェクト」と名付け、他にも著名な女性企業家をターゲットにした数パターンのバナーを作成し、積極的に推し進めた。
しかし、こうした広告の内容に問題があることが各所から指摘された。
『聯合ニュース』によると、韓国の政治資金法では選挙管理委員会に登録された後援会や、選挙管理委員会を通じてのみ政党に選挙資金を寄付できるが、同党のバナー広告には個人の口座番号が記載されていただけなので、政治資金法違反の疑いがあるという。
また、『中央日報』は「個人が政党の後援会に寄付できる金額は最大で年間2000万ウォン、一つの後援会には最大で500万ウォンまで」、「法人による政治資金の寄付は禁止」という政治資金法の内容を紹介し、問題を指摘した。
これを受け11日、女性の党側は共同代表7名の名義で謝罪文を発表した。
謝罪文で「(わが党で)もっと不足していたのは財政だった」と明かし、「日曜日も休まず働いてきた党の職員は最初から今まで無給で参加してる」と事情を説明した。
さらに「党員の80%が10代、20代で、公式な後援会ができても毎月1万ウォン(約900円)の寄付も負担な状況であることをよく知っている」とし、「(選挙に必要な)公報グッズの製作費用約10億ウォン(9000万円)を賄うことすら難しいのが現実」と続けた。
その上で、「女性にとって自分だけの家、自分だけの党が必要であるように、女性の党には資金が切実なのが事実だ」と説明、「現在、公式な後援会を設立しており、慎重でない広告的な表現に問題があった点を認め謝罪する」とした。
なお、「聯合ニュース」は「女性の党の掲示物の内容を精査している」という中央選挙管理委員会関係者のコメントを伝えた。

同党の公式ツイッターはこちら。
https://twitter.com/womensparty2020?s=20