全州市、「災難基本所得」約4万5千円を社会的弱者に支給
全州市、「災難基本所得」約4万5千円を社会的弱者に支給
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2020.03.18 01:38
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韓国の全羅北道の道庁所在地・全州(チョンジュ)市が、新型コロナウイルスの拡散を受け、社会的弱者層に災難基本所得を支給する。韓国で初めての試みに注目が集まっている。

13日、全州市議会で、同市が新型コロナウイルス(COVID-19)の早期克服のためにと編成した「緊急生活安定 全州型災難基本所得支援金」263億5千万ウォン(約22億7千万円)を含む、総額556億5千万ウォン(約47億9千万円)にのぼる緊急修正予算案が成立した。

これにより、全州市の人口約65万人のうち、約5万人の低所得層の住民に52万7千ウォン(約4万5千円)が支給される。

対象となるのは失業者と非正規雇用者などで、デビッドカード(使う度に残高から引き落とされる形式)で支給され、3か月以内に全州市内で使用する決まりがある。

13日に開かれた全州市議会。同市提供。
13日に開かれた全州市議会。同市提供。

なお、全州市は「基本所得」という言葉を使っているが、「基本所得(ベーシック・インカム)」は本来、「普遍的にいかなる制約も課さず、定期的に現金を提供する」と定義されるものだ。つまり、この場合には「基本所得」という言葉が当てはまらない。

だが韓国では、新型コロナウイルスの拡散を防ぐための「社会的距離戦略(Social Distancing。なるべく自宅から出ず、他人と会う機会を極力減らすこと)」が政府レベルで推奨されており、経済面での影響が深刻化している。これに従い、各地方自治体で「災難基本所得」をめぐる議論が活発化している背景がある。

全州市の「災難基本所得」は、別の制度を通じ支援を受ける零細企業のオーナーや失業保険の受給者、政府の修正予算の支援対象となる市民などが支給から除外される。

その代わり、経営難に陥っている零細企業のオーナーには、別途で140億ウォン(約12億円)が支援に使われると定めている。

また、同市の予算には零細企業を対象に電気料金など公共料金を60万ウォン(約5万1千円)支援する予算も含まれる。他にも市による融資の保証などに27億5千万ウォン(約2億3500万円)が充てられる。

全州市のキム・スンス市長。聯合ニュース提供。
全州市のキム・スンス市長。聯合ニュース提供。

この日、同市のキム・スンス市長は「経済危機で苦痛を受けているにもかかわらず、政府の支援対象から排除され、死角地帯に置かれた低所得層の力になれば」と述べた。

キム市長はさらに、「道路ひとつを敷くことができなくなるかもしれないが、非正規雇用の労働者、生計型アルバイター、代行の運転手など所得の激減に直面した人々が、生きる希望を失わないように民生・経済対策をより強く推進し、新型コロナウイルスの危機を早期に克服するようにしたい」と語った。