「銃声を止め、コロナに脆弱な人々に希望を届けよう」 国連事務総長が世界に停戦を呼びかけ
「銃声を止め、コロナに脆弱な人々に希望を届けよう」 国連事務総長が世界に停戦を呼びかけ
  • The New Stance編集部
  • 承認 2020.03.24 23:42
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新型コロナウイルス(COVID-19)が世界的な拡散を続ける中、国連事務総長が世界中に向け、最も弱い立場に置かれた人々を守るための停戦を呼びかけた。

23日(現地時間)、アントニオ・グテーレス国連事務総長は米ニューヨークの国連本部で発表した演説文を通じ、世界に向け武力行為の即時停止を訴えた。

グテーレス事務総長は新型コロナウイルスを「世界共通の敵」と表現し、「すべての人を容赦なく攻撃する」とする一方、「世界では激しい紛争が続いており、戦争によって荒廃した国では医療制度が崩壊している」と訴えた。

23日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で会見を行うアントニオ・グテーレス国連事務総長。国際連合ホームページより引用。
23日(現地時間)、ニューヨークの国連本部で会見を行うアントニオ・グテーレス国連事務総長。国際連合ホームページより引用。

さらに、「ウイルスの猛威は戦争の愚かさを如実に示している」とし、紛争当事者に対し「戦闘行為から離れ、不信と敵意を捨てるよう」呼びかけた。

その理由として、「救命援助を届け、外交にチャンスを与え、新型コロナウイルスに対して最も脆弱な人々が暮らす場所に、希望を届けるため」とした。

以下はグテーレス国連事務総長の演説全文。国際連合広報センターより引用した。

アントニオ・グテーレス国連事務総長 グローバル停戦の呼びかけ

 

私たちの世界はCOVID-19という、共通の敵と対峙しています。

このウイルスには、国籍も民族性も、党派も宗派も関係ありません。すべての人を容赦なく攻撃します。

その一方で、全世界では激しい紛争が続いています。

女性と子ども、障害をもつ人々、社会から隔絶された人々、避難民など、最も脆弱な立場に置かれた人々が、最も大きな犠牲を払っています。

こうした人々がCOVID-19によって壊滅的な被害を受けるリスクも、最も高くなっています。

戦争によって荒廃した国では、医療制度が崩壊していることを忘れないでおきましょう。

すでに数少なくなっている医療従事者が、標的とされることも多くなっています。

難民やその他、暴力的紛争で故郷を追われた人々は、二重の意味で弱い立場に置かれています。

ウイルスの猛威は、戦争の愚かさを如実に示しています。

私がきょう、世界のあらゆる場所でグローバルな即時停戦を呼びかけているのも、そのためです。

紛争を停止し、私たちの命を懸けた真の闘いに力を結集する時が来ています。

紛争当事者に対し、私は次のように訴えます。

戦闘行為から離れてください。

不信と敵意を捨ててください。

銃声を消し、砲撃を停止し、空襲をやめてください。

それがどうしても必要なのは…

救命援助を届けるための道を確保できるようにするためであり、

外交に貴重なチャンスを与えるためであり、

COVID-19に対して最も脆弱な人々が暮らす場所に、希望を届けるためでもあります。

COVID-19対策で歩調を合わせられるよう、敵対する当事者間でゆっくりとでき上がりつつある連合や対話から、着想を得ようではありませんか。しかし、私たちにはそれよりもはるかに大きな取り組みが必要です。

それは、戦争という病に終止符を打ち、私たちの世界を荒廃させている疾病と闘うことです。

そのためにはまず、あらゆる場所での戦闘を、今すぐに停止しなければなりません。

それこそ、私たち人類が現在、これまでにも増して必要としていることなのです。
 


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