[全訳]第33周年 6•10民主抗争記念式 記念辞(2020年6月10日)
[全訳]第33周年 6•10民主抗争記念式 記念辞(2020年6月10日)
  • The New Stance編集部
  • 承認 2020.06.10 11:16
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1987年6月10日、全国で100万人以上の市民が民主化を求めるデモを行った。「6•10民主抗争」と呼ばれるこのデモは、その後6月29日に大統領直接選挙制を実現する民主化宣言を引きだす力となった。この日を称えた記念式で文在寅大統領が演説した記念辞を全訳する。
2020年6月10日、ソウル市内の民主人権記念館で演説する文在寅大統領。
2020年6月10日、ソウル市内の民主人権記念館で演説する文在寅大統領。

第33周年 6•10民主抗争記念式 記念辞

尊敬する国民の皆さん、

6•10民主抗争のあの日、
私たちは民主主義を共に作り出しました。
学生たちは先頭に立ち、
会社員たちはハンカチを振り、
タクシー運転手はクラクションを鳴らしました。
母親たちは戦闘警察の胸に花を挿しました。
すべての国民が共に
民主主義という名前の木を
広場に植えました。

それから33年が経ちました。
労働者たちが平等と団結という光を、
市民達は共感と参与という光を
木の注いでくれました。
青年たちが母親、父親になり
私たちの家庭に民主主義が始まりました。
人権を顧みるようになり、
一人一人を大切にするようになりました。
民主主義が危機に瀕したとき私たちはろうそくを手に取り
皆と一緒にゆっくりと、
しかし決して方向を失わず今日までたどり着きました。

今日、民主主義という名前の木は
どの国よりも早く育っています。
私たちの民主主義は分かち合いと相生の民主主義です。
個人の自由を尊重するだけに
国民みなの自由を尊重する民主主義です。
私たちはコロナを克服する過程で
連帯と協力の民主主義を見せてくれました。
私たちが作った民主主義が
韓国をコロナ防疫の模範国にしました。
すべての国民が共に作った民主主義です。

6•10民主抗争の33周年を迎え
民主主義のために命を散らした烈士たちを悼みます。
33年前、6•10民主抗争を共にした市民たちと
その後も民主主義の発展のために献身したすべての方たちに
深い尊敬と感謝の心を捧げます。

私たちの民主主義はより大きく育っています。
今ではどこに出しても恥ずかしくないほど成熟しました。
互いを思う心で
今日、私たちの民主主義をこれほどに成長させた
私たちの国民みなさんに
激励の拍手を送りたいです。

国民の皆さん、

ここは南営洞です。
南営駅の汽車の音が聞こえるこの場所は、
一時、「南営洞対共分室」と呼ばれた悪名高い場所でした。

一枚の塀を隔てて
市民が行き来したこの場所で
不法連行、拷問によるでっち上げ、人権侵害が行われました。
ただ民主化を願ったという理由ひとつで
多くの人々がこの場所で
人間では耐えることが難しい苦痛と恐怖と恥辱を受けなければなりませんでした。
金槿泰(キム・グンテ)民青連議長は
電気拷問をはじめとする死ぬよりも激しい拷問を受けました。
1987年1月14日、ここの509号調査室で
ソウル大学言語学科の22歳
朴鍾哲(パク・ジョンチョル)烈士は水拷問により亡くなりました。

しかし死に比肩するような苦痛と恥辱的な拷問に耐え抜いた民主人士たちが
‘独裁と暴力’の空間を
‘民主化闘争’の空間へと変えました。
天主教(カトリック)正義具現全国司祭団の神父達の勇気により
朴鍾哲烈士の拷問致死の事実が世の中に知られ、
6•10民主抗争は南営洞での国家暴力の真実を世の中に引きずり出しました。
今や南営洞は’民主人権記念館’が作られました。
被害者たちの痛みを癒やし、
民主主義の歴史を記憶する空間となるでしょう。
今日この場所で
6•10民主抗争記念式を開くことになり、とても意義深いです。

この不幸な空間を
民主主義の空間として再生させたことは
まるで手品のような偉大な奇跡といえます。
厳酷な時節を勝ち抜き
ついに暗闇の空間を希望と未来の空間へと変えた
私たちの国民と民主人士たちが誇らしいです。

国民の皆さん、

今日わたしたちの民主主義がここに至るまで、
多くの献身と犠牲がありました。
今日わたしたちは
大韓民国の民主主義の発展に寄与した功労者たちに
勲・褒章を授与します。
ひとりひとりが、勲・褒章では決して表せない、
立派な方々です。
市民社会と関連団体の広範囲な推薦により選ばれ、
はじめての試みです。

全泰壱(チョン・テイル)烈士を胸に抱き
労働者の権益のために生涯を捧げた故イ・ソソン女史、
反独裁民主化運動に生涯を捧げた故パク・ヒョンギュ牧師、
人権弁護士の象徴だった故チョ・ヨンレ弁護士、
時代の良心であった故チ・ハクスン主教、
5•18民主化運動の生き証人だった故チョ・ビオ神父、
全国民族民主遺家族協議会会長として長い間活動した朴鍾哲烈士の父パク・チョンギ氏、
言論民主化のために闘った故ソン・ユボ記者、
時代と共に苦悩した知識人故キム・ジンギュン教授、
維新独裁にあらがった故キム・チャングク尚志大学総長、
農民の親友、故クォン・ジョンテ全国農民会総連盟議長、
民主・人権弁護の胎動を知らせた故ファン・インチョル弁護士、
そして今なお民主主義の現場で私たちと共におられる
イ・ハンニョル烈士の母ペ・ウンシム女史と
海外で私たちを支援してくれた
故ジェイムス・シノト神父、ジョージ・オーグル牧師。

実にその名前そのものが韓国の民主主義であり、
厳酷だった独裁時代に国民の垣根となってくれた方々です。
私は路上と広場でこの方たちは共にいられた事を
栄光をもって記憶します。

今日の勲・褒章は政府が授与するものですが、
誇らしい民主主義の歴史と
感謝する国民の想いに代わるものです。
国民と共に心から尊敬と感謝を伝えます。
忍苦の歳月を共にしてきた遺家族の皆さんにも
慰労の言葉を送ります。

政府はこれからも礼遇を尽くし
独立・護国・民主有功者たちに仕えます。
愛国と民主主義のために献身した方々の意志が
後代の教訓になるように
常に努力していきます。

政府は偉大な民主主義の歴史を記念することにも
最善を尽くします。
2018年から2•28大邱民主運動と3•8大田民主義挙を
国家記念日に指定し
3•15馬山義挙と共に
4•19革命までひとつながりの歴史として記憶することにしました。
必ず4•3の名誉回復を成し遂げ
5•18民主化運動の真実を完全に究明します。

国民の皆さん、

今一度、民主主義を考えます。
制度としての民主主義がよく整備され
私たちの手で大統領と国会議員、地方自治体の長を選び、
国民としての権限を多くの場所で行使しますが、
国民の皆が生活の中で民主主義を享受しているのか
私たちは常に顧みなければなりません。

韓国の主人は国民です。
国民が主権者です。
国家は国民の生活のために存在し、
常に主権者の命令に応えなければなりません。
選挙で選ばれた指導者たちが常に胸に刻まなければなりません。

民主主義は自由と平等の二つの翼で飛ぶものです。
少数でも尊重されるべきで、
疎外された場所を絶え間なく顧みる時に民主主義はしっかりと作動します。
私たちは思う存分に利益を追求する自由がありますが、
他人の分を奪い取る自由は持っていません。
私たちは隣人が共に良い暮らしをしてこそ、自分の店もうまくいくという、
平凡な真理を余りにもよく知っています。
持続可能でより平等な経済は制度の民主主義を超え
私たちが必ず成就すべき実質的な民主主義です。

民主主義が当然だと感じる時ほど私たちは
民主主義に対しより多く質問しなければなりません。
民主主義は制度を超え、私たちの生活の中に染みこまなければなりません。
家庭と職場での民主主義こそが
より成熟した民主主義です。
日常で民主主義を体験し繰り返す時
民主主義は絶え間なく前進するでしょう。

急ぎすぎてもいけません。
葛藤と合意は民主主義の別の名前です。
人は誰も異なります。
理想が異なり、考えが異なり、置かれている現実も異なります。
現在のための選択と、未来のための選択もそれぞれ異なります。
私たちは葛藤の中で相生の方法を探し、
不自由さの中から平穏を探さなければなりません。
それが民主主義の価値です。

平和は困難で難しい道のりですが、
それだからこそ、私たちは民主主義で平和を成し遂げるべきです。
そうやって成し遂げた平和だけが
長い間、私たちに繁栄をもたらしてくれるでしょう。

尊敬する国民の皆さん、

私たちの民主主義を世界が注目しています。
コロナによる困難な状況の中で
国民たち皆が違いを配慮する民主主義を実践し、
民主主義の花である選挙を成功裏に行えた唯一の国です。

6•10民主抗争は、ある日突然やってきた奇跡ではありません。
3•1独立運動に始まった民主共和国の歴史、
国民主権を取り戻そうとしたすべての国民たちの長い熱望が作り出した
勝利の歴史です。
16年ぶりに大統領を国民の手で選ぶようになり
三権分立の民主主義の基本体制を憲法に復元することになりましたが、
私たち国民が成し遂げた最も偉大な成果は
国民の力で歴史を前進させた経験と
集団の記憶を持ったことです。
このため私たちの民主主義は決して後退しません。

私たちはこれからより多くの民主主義、
より大きな民主主義、
より多様な民主主義に向かわなければなりません。
民主主義に向けた道は中断することができません。
民主主義が絶え間なく発展していくからです。
過去の日々のように、私たちはうまく成し遂げられるでしょう。

6•10民主抗争の33周年を迎え、
政府も’日常の民主主義’のためより努力していきます。
民主主義という名前の木が
広場でより青々とするように
国民の皆さんも共にしてくれることを望みます。

ありがとうございます。