国連安保理が「新型コロナ停戦」を満場一致で採択...効力は懐疑的
国連安保理が「新型コロナ停戦」を満場一致で採択...効力は懐疑的
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2020.07.06 16:08
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国連安全保障理事会が、感染者1000万人を超える新型コロナウイルスの世界的なまん延を前に、人道支援のための停戦をうながす決議案を採択した。

「90日間の持続可能な人道的停戦」を

国連安全保障理事会は7月1日(現地時間)、新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行に対処するために、世界的な停戦を求める決議案を採択した。採択には15か国が参加した。

フランスとチュニジアによって起草された決議案では、「全ての武力紛争の当事者に対し人命救助や援助が安全かつ継続的に行われることを可能にするため、少なくとも90日間の『持続可能な人道的停戦』を直ちに実施するよう」求めている。

今回の採択を伝える国連安保理のホームページでは、新型コロナウイルスの大流行は「国際的な平和と安全の維持を危険にさらす可能性が高い」とし、さらに「紛争から脱出する地域の平和構築と開発の利益を後退させる可能性がある」としている。

今回の決議案採択に関し、ドイツのクリストフ・ホイスゲン国連常任代表は「非常に強い(国連安保理の)結束の印であり、国連安保理から世界に向けて発信する希望の信号である」と述べている。

 

オンライン会議を行う、国連安保理常任理事国5か国と、非常任理事国10か国。国連テレビよりキャプチャ。
オンライン会議を行う、国連安保理常任理事国5か国と、非常任理事国10か国。国連テレビよりキャプチャ。

なお、今回の停戦決議案は「『過激派組織ISIL(別名ダエス、アルカイダ、アル・ヌスラ戦線、その他理事会が指定したテロリスト・グループ)に対する進行中の軍事作戦」には適用されない。

一方、アントニオ・グテーレス国連事務総長が3月23日から決議案の採択を要求していたのにもかかわらず、国連安保理の動きが遅れたのはWHO(世界保健機関)をめぐる米中の見解の違いがあった。

決議案の中でWHOの役割を強調したい中国と、WHOが中国に偏向的だと見なし寄付金の供出も中止している米国は正面から衝突した。結局、決議案からはWHOへの直接的な言及は除かれたが、妥協案としてWHOを指示する国連総会の別の決議案に言及する措置が取られた。

だが、こうした大国の政治的な思惑により決議案の採択が遅れたことに対し、専門家の評価は厳しい。

国際NGO『国際危機グループ(ICG)』のリチャード・ゴーワン氏は仏AFPなどのメディアに対し、「停戦要請が多くの紛争地域で実際に大きな影響を与える可能性は低いと思われる」と述べた。

さらに、「理事会は、決議があれば大きな変化をもたらすことができたであろう4月か5月に、国連事務総長の世界的な停戦案を後押しする機会を逃してしまった」と見立てた。