「南北は不可分の関係」…李仁栄統一部長官、板門店を訪問
「南北は不可分の関係」…李仁栄統一部長官、板門店を訪問
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2020.09.17 19:24
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16日、南北関係を主管する韓国・統一部の李仁栄(イ・イニョン)長官が板門店を訪れ、北朝鮮に向けたメッセージを発表し、対話を呼びかけた。

◎人道分野と交流協力から

この度の李長官の訪問は、韓国の文在寅大統領と朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の金正恩委員長が2018年9月19日に合意した『平壌南北共同宣言』ならびに『南北軍事合意書』から2周年に合わせて行われた。

李長官はメッセージの中で、南北両首脳による二つの合意を高く評価しながら、南北双方ともその遵守に向けて努力していると述べた。

特に、今年6月に起きた北朝鮮による南北共同連絡事務所(開城市)の爆破について「残念」としながらも、「北朝鮮側はその後に緊張の高まりを防いでいる」と言及した。

李長官はさらに今後の課題として、「今すぐできる人道分野と交流協力分野から進める」としながら、「朝鮮半島の非核化問題においても南北がともに解決策を講じる部分がある」と述べた。

そしてこのために、南北協議チャンネルが復元されるべきとし、南北は「宿命的な生命・安全共同体として不可分の関係にあると認識すべき」と強調した。

16日、板門店を訪問した李仁栄(イ・イニョン)統一部長官。後ろに18年4月に南北首脳が植樹した際に置かれた「平和と繁栄を植える」と書かれた碑石が見える。統一部提供。
16日、板門店を訪問した李仁栄(イ・イニョン)統一部長官。後ろに18年4月に南北首脳が植樹した際に置かれた「平和と繁栄を植える」と書かれた碑石が見える。統一部提供。

◎李仁栄長官のメッセージ全訳

自由の家から軍事停戦委員会の会議室を経てここ、記念植樹を行った場所まで板門店のあちこちを見て回ると、様々な思いが湧いてきます。

『平壌共同宣言』2周年を記念すべき意味のあるこの時に、コロナ19(新型コロナウイルス)の状況が続き、また南北の時計が止まってしまい、私と皆さんだけがいる点が非常に残念です。

しかし、ここを見渡すと、随所に平和に向けた南北首脳の努力が表れています。 その足跡が実に多く残っています。「分断の空間」であった共同警備区域(JSA)には南北の軍人が非武装で立っており、両首脳が植えた木もしっかりと根付いています。

地上、海上、空中での相互の敵対行為が全面中止され、ファサルモリ高地(鉄原郡)では戦死者の遺骸発掘作業が進められ、DMZ(非武装地帯)でも監視哨所の一部が撤収され、平和の道が開かれました。

2017年、韓半島(朝鮮半島)で戦争を語っていた一触即発の状況に比べると、今は軍事的緊張が緩和され、より多くの国民が平和を体感できる状況にもなりました。

最近でも紛争が起きる中東や西南アジア地域の国境紛争、南シナ海で高まる軍事的緊張を見ると、それに比べて南北関係は、韓半島は相対的に安定的であることが分かります。

その点において、南北首脳の歴史的決断と合意は高く評価されるべきであり、特に軍事的な葛藤を防ぐ装置としての『平壌共同宣言』と『南北軍事合意書』が重要な機能を果たしたと思われます。

そして南と北の双方が合意を履行し、韓半島の完全な平和を実現するために努力してきたという点も、しっかりと評価されなければなりません。

今も我々は合意履行のために努力しています。相互に敵対行為をしないことにした南北間の合意を遵守するため、立法過程を通じて北朝鮮に向けたビラ散布問題も解決しています。

韓米合同軍事演習も様々な諸般の事項を考慮しながら調整し、実施しました。もちろん、私たちの努力に比べて非核化交渉の進展が遅く、依然として開城(ケソン)工業団地、金剛山(クムガンサン)観光、離散家族交流のように期待に及ばず残念な点もあります。

一方で私は、北朝鮮側もそれなりに合意を守ろうとする意志があると思います。南北共同連絡事務所の爆破は、確かに残念なことでした。しかしその後、金正恩(キム·ジョンウン)委員長が対南軍事行動保留を指示したことは、これ以上の緊張が高まることを防止するための努力と判断できます。

さらに北側は、南側の一部団体のビラ散布に対応して再設置しようとした拡声器を撤去し、韓国に向けたビラの準備も中断したことがあります。

昨年、昌林島(チャンリンド)で実施した海岸砲の射撃訓練や、今年5月に行われたGP(哨所)銃撃もありましたが、総じて北朝鮮側は軍事合意を守っていると思います。

これは私たちだけの評価ではないでしょう。 エイブラムス韓米連合軍司令官も最近の討論会で、北朝鮮側が軍事合意を守っていると評価したことがあります。

もちろん、『平壌共同宣言』は軍事分野に限られてはいません。私も2年前の合意当時、一人の国会議員として、また国民として両首脳が共に築いた歴史的な里程標を高く評価し、完全に実現されることを期待していましたが、「南北の時間」が多くの分野で進展しなかった点は残念に思っています。

しかし、南北の葛藤がまだ存在する状況で、軍事的緊張を緩和し、接境地域(南北が接する地域)の平和状態が保たれているという点は、最も高く評価できると思います。

約束は守られなければなりません そして、合意は履行を通じ完成します。双方の指導者の決断を完成させ、「南北の時間」を再開するためには、今後も南北共同の努力が続けられなければなりません。

政府は南北共同宣言の履行のため、今すぐできる人道分野と交流協力分野における「小さなアプローチ」から進めていこうとしています。そのように出発して、再び信頼の時間を作っていこうと思います。

コロナ19の状況が緩和されるならば、10月からでも板門店見学とDMZ平和の道を迅速に開放・再推進するでしょうし、板門店で小規模の離散家族の再会も提案できるようになることを希望しています。

北側も、両首脳の約束である南北共同宣言の履行のために、応えてくれることを期待します。『9.19南北共同宣言(平壌共同宣言)』には、南と北が韓半島の完全な非核化に向けて共に協力していくとしました。多くの部分で米朝が解決していかなければならないでしょうが、私は南北がともに解決策を講じなければならない部分もかなりの部分に及ぶと思います。

まず、その前にでも、保健医療、防疫協力、気候環境分野における人道協力は、韓米の間のコミュニケーションに基づき、情勢に関係なく年間に一定の規模以上にその事業を続けてこそ、南北が相互に信頼を構築することができると思います。

早いうちに南北共同連絡事務所を含む協議チャンネルが復元され、虚心坦懐な対話が再開されることを望みます。

強大国間の競争による伝統的な安全保障の課題と、コロナ19および気候環境の変化による非伝統的な安保課題という「二重の課題」に直面している厳しい現実の中で、南北は宿命的な生命·安全共同体としての「不可分の関係」である点をはっきりと認識する必要があります。

最後に、南側に発生した水害の被害と同じように、北側に発生した被害についても残念に思いつつ、適切な契機にお互いの連帯と協力が実現できることを期待します。

南北が平和の未来を夢見て共にここに木を植えたように、平和と繁栄の実を共に結んでいけることを願っています。ありがとうございます。

 


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