韓国コロナ対策の司令塔「疾病管理庁」の来年度予算は944億円…21.4%増
韓国コロナ対策の司令塔「疾病管理庁」の来年度予算は944億円…21.4%増
  • The New Stance編集部
  • 承認 2020.12.05 12:43
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新型コロナウイルス対策に力を入れる韓国。今年、「庁」へと昇格した感染症対策を一手に担う「疾病管理庁」の予算を大幅に増やし、万全の態勢を整える構えだ。
今年9月に発足した「疾病管理庁」は組織も予算も大幅に拡大された。写真は聯合ニュース提供。
今年9月に発足した「疾病管理庁」は組織も予算も大幅に拡大された。写真は聯合ニュース提供。

韓国の国会で2日、2021年度予算案が成立した。韓国の感染症対策を担う「疾病管理庁(KCDC)」の予算は9917億ウォン(約944億円)となった。

今年9月、「疾病管理本部」から格上げになって以降はじめての予算案となるが、昨年の「疾病管理本部」時代から比べると1746億ウォン、21.4%の増額となる。

予算の特徴は、新型コロナウイルス感染症拡大への対策を重点的に行う点にある。

湖南(全羅南北道、光州市)・嶺南(慶尚南北道、大邱市、釜山市)・中部圏(忠清南北道、大田市)それぞれの地域に感染病専門病院を設置するために、459億ウォン(約43億円)が投入される。これは20年度の39億ウォンと比べ10倍以上の増額だ。

また、感染者を選抜・隔離するための臨時の生活施設を6か所運営し、患者に隔離治療費を支援するための予算323億ウォン(約30億円)が計上された。やはり20年度の111億ウォンから約3倍になる。

さらに、新種感染病の危機状況を迅速に認知し対応するための専門コールセンターを運営し、診断検査費を支援する作業には199億ウォン(約19億円)が割り当てられる。これは20年度の48億ウォンよりも大幅の増額となる。

保健医療に関する研究開発とインフラの強化にも予算が積極的に投入される。

新型コロナウイルス感染者の予後予測モデルを開発し、抗ウイルス剤の薬物評価を行う実験室を運営するなど、政府の研究インフラ構築に352億ウォン(約33億円)の予算がついた。20年度の176億ウォンから倍増となる。

一方、「疾病管理庁」の予算とは別に、新型コロナウイルスワクチンを確保し接種するための予算として、予備費9000億ウォン(約857億円)が編成された。

こうした予算について、鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理庁長は3日に出した報道資料の中で「2021年度の予算は、疾病管理庁の開庁後はじめてとなる予算であるため、迅速に執行できるよう執行計画を樹立するなど、事業の推進につまづきがないよう準備する」と明かした。
 


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