
●300人に調査
今月5日、韓国の公営放送『KBS』のラジオ局の一つ「韓民族放送」が伝えたところによると、11月6日から20日にかけて脱北女性300人を対象に面接調査を行った結果、「韓国で自身の社会的地位が低い」と答えた者の割合は86.7%にのぼった。また、「自身が北朝鮮出身であるという理由で社会的地位が低い」と見る者の割合は35.3%だった。
さらに回答者の64.3%は「極度の感情の変化を感じている」と答えるた。「月に1〜2回は非常に不安になり憂鬱になる」とした者は43%、「怒りを覚えて我慢できない」との回答した者は36%にのぼった。
不安定な心理状態は、北朝鮮をはじめ中国またはモンゴル・東南アジアなどの第三国で暴力を直接・間接的に目撃したためと分析することができた。回答者の53%は北朝鮮国内の学校や職場で暴力を目撃したとし、23.3%は直接被害に遭った。
北朝鮮から離れた後、第三国で強制結婚や人身売買の被害に遭ったと答えた者も11.3%にのぼった。
このような心理状態が身体の異変にまでつながる場合も多かった。「消化が悪い」と答えた者は59.7%、「慢性的な痛みがある」は51.0%だった。
●ドキュメンタリーを放送
調査からは他にも、脱北女性たちの困難な状況が浮き彫りになった。回答者のうち39%が「韓国で発音やイントネーションなどでからかわれた」とし、37.7%が「慣れない言葉(外国語など)により苦労している」とした。
また、やはり75.3%の回答者が「福祉サービスが必要」としたが、実際に韓国で福祉サービスを受けている者は30%程度と低かった。
KBS「韓民族放送」はこうした調査結果と脱北女性達への深層インタビュー、心理相談専門家などの意見を基に特集ドキュメンタリー『北韓離脱住民の心理治療プロジェクト−ふたたび飛ぼう』を今月24日と25日に放送する予定だ。