米国が韓国内の米軍基地12か所を韓国に返還…龍山米軍基地からは初
米国が韓国内の米軍基地12か所を韓国に返還…龍山米軍基地からは初
  • The New Stance編集部
  • 承認 2020.12.19 12:35
  • コメント 0
記事を共有します

韓国内の米軍基地返還が着々と進んでいる。昨年に続き今年もソウルをはじめ全国の12か所が返還され、予定された全80か所中、残すは12か所のみとなった。だが、環境浄化の責任をめぐる議論は平行線のままだ。
ソウルの龍山米軍基地から初めての返還となった「サウスポスト・スポーツフィールド」。写真:聯合ニュース. 2020.12.11。
ソウルの龍山米軍基地から初めての返還となった「サウスポスト・スポーツフィールド」。写真:聯合ニュース. 2020.12.11。

●龍山基地からの返還ははじめて

韓国政府は11日、米国と第201次駐韓米軍基地協定(SOFA)合同委員会をオンラインで開催し、ソウルと京畿道(キョンギド)の一部、大邱(テグ)市、慶尚北道浦項(ポハン)市、江原道太白(テベク)市などにある米軍基地12か所の返還に合意したと明かした。

チェ・チャンウォン国務調整室1次長はこの日、国防部の政府合同会見で「返還が遅れる場合、基地周辺地域の社会・経済的な困難が深まるため、返還手続きが迅速に行われるべきという点で共感し、今後も協議を続けるという条件下で今回の返還に合意した」と述べた。

返還された12か所の総面積は約146万5千平方メートルとなり、ソウル市内の汝矣島(ヨイド)の半分ほどの面積だ。

ソウルでは龍山(ヨンサン)米軍基地の運動場だった2か所(5万平方メートル)が返還された。米韓が合意した2002年の連合土地管理計画(LPP)と、2004年の龍山基地移転協定(YRP)により、全国の駐韓米軍基地80か所に対する返還作業が始まって以降、龍山米軍基地の一部が返還されたのは今回が初めてだ。

同基地は日本による植民地時代には日本軍の駐屯地として、朝鮮戦争が停戦となった1953年以降は駐韓米軍司令部が活用してきた歴史がある。2018年に駐韓米軍司令部は京畿道平澤(ピョンテク)市のキャンプ・ハンフリーズに移転したことに従い、龍山基地は2021年まで韓国に返還される予定だ。

203万平方メートルに及ぶ龍山基地全体を一度に返還する場合、環境整備などにより長い時間がかかるため、順次返還することにし、今回2か所の区域が先に返還された。

これらの区域は現在、芝生となっており、今後はフェンス設置など保安上の必要な措置を行った上で来年3月または4月には公園として国民に開放する予定だ。さらに2030年まで完成させる予定の龍山公園の造成計画に支障がないよう、今後も協議を続けていくと韓国政府は明かしている。

また、龍山区のキャンプ・キム(5万平方メートル)、米8軍宗教休養所(2万平方メートル)、漢南外国人アパートの一部(3万平方メートル)、西氷庫(5千平方メートル)、中区の極東工兵団敷地(5万平方メートル)なども返還される。

政府によると、キャンプ・キムでは公共住宅団地の、工兵団敷地は「中央感染症専門病院」の建設がそれぞれ検討されている。

●環境汚染浄化は争点のまま

京畿道では議政府(ウィジョンブ)のキャンプ・ジャクソン(17万平方メートル)、河南(ハナム)市の城南ゴルフ場(93万平方メートル)、東豆川(トンドゥチョン)キャンプ・モービルの一部(6万平方メートル)などが返還された。

一方、大邱市ではキャンプ・ウォーカーヘリポート(7万平方メートル)、浦項市では海軍浦項派遣隊(1万平方メートル)、太白市では必勝射撃場の一部(2万平方メートル)が返還された。

こうした地域のほとんどは地方自治体と地域住民が地域開発のために早期の返還を強く求めてきた場所だ。議政府市では跡地に文化芸術公園を造成する計画だ。

なお、昨年12月の米軍基地4か所の返還当時と同様に、環境汚染の浄化費用は韓国政府が先に負担し、どう分担するかを事後に協議する形になる。韓国側は「油や猛毒性の発がん性物質が検出されるのは米軍駐留によるもの」という立場だが、米国側は「SOFAにより浄化の義務はない」と議論は平行線が続いている。

SOFA第4条では「米軍は原状回復または補償する義務はない」と規定しているものの、韓国の憲法裁判所は2001年の判決で、この規定が「浄化義務の免除をするという事ではない」との見解を示している。結果として、これまでの浄化費用はすべて韓国が負担している。

米韓双方は、汚染浄化の責任がどちらにあるのかに加え、駐韓米軍が現在使用している基地の環境管理を強化する方案、汚染管理の基準開発、平常時の共同汚染調査手続き、環境事故発生時の報告手続きや共同調査手続きなどに対し、議論を続けていくことにしている。

政府はこれまで、米軍基地返還の遅れが地域社会にもたらす社会・経済的な問題などを考慮し、外交部と国防部、環境部など関係部署の参加の下、国務調整室を中心にSOFAを通じ米国側と協議を続けてきた。

今回の返還を経て、全80か所の返還対象のうち残るは12か所となった。これについてチェ第1次長は「米国側の部隊移動計画、地方自治体の地域開発計画、米側との協議の進行状況などw考慮し、龍山基地を含め残る返還対象となる基地も最大限早く国民の下に戻すように努力していく」と述べた。
 


関連記事