
●南北の通信は中断したまま
国連軍司令部は1日、Facebookページで2020年を振り返り、「1年を通じて北朝鮮軍との通信線を維持した」とし、「『ピンクの電話』を通じ86件のメッセージを伝え、1日に2回の通信線のチェックを行った」と書いた。
昨年6月、北朝鮮側は韓国の市民団体による北朝鮮へのビラ散布を理由に、南北当局間のあらゆる通信連絡手段を中断。この措置は今も続いている。
だが国連軍司令部は、写真にあるようなピンクのダイヤル式旧型電話を通じ、北朝鮮側とコンタクトを取り続けていたということになる。
また、同司令部は「昨年4500を超える非武装地帯(DMZ)への出入申請があり、その中の98.4%を承認した」とし、「特に緊急の出入件数が史上最多の210件を記録した。大部分は夏の集中豪雨による被害復旧事業と関連したもの」と説明した。

●韓国軍による遺骸発掘にも貢献
一方、同司令部はFacebook上の別の掲示物を通じ、江原道(カンウォンド)鉄原(チョロン)郡で2019年4月から行われている「南北共同遺骸発掘」についても言及した。
18年9月の『南北軍事分野合意書』により始まったこのプロジェクトは、その後南北関係の悪化をうけ現在では韓国国防部の「遺骸発掘鑑識団」が単独で行っている。
これについて同司令部は「昨年4月から11月まで行われた発掘事業で韓国軍は、『地雷および不発弾の除去2568点、遺骸の発掘143体、遺骨の発掘330点』という成果を達成した」とし、「国連軍司令部の人員が現場でDMZへの出入りを支援した」と明かした。
1950年7月に設立された国連軍司令部は、朝鮮戦争において国連軍の指揮を執った。本部は東京にあったが、53年7月の停戦協定を経て57年にはソウルに移転した。
なお、1978年以降、韓国軍に対する戦時作戦指揮権は「米韓連合司令部」が担うこととなった。このため、同司令部は軍事停戦委員会の稼働、中立国監督委員会の運営、板門店共同警備区域(JSA)の警備部隊運営など、停戦協定に関する業務だけを行っている。
