米国が「リーダーシップ」掲げ、3年ぶりに国連人権理事会に復帰
米国が「リーダーシップ」掲げ、3年ぶりに国連人権理事会に復帰
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2021.02.09 11:56
  • コメント 0
記事を共有します

米国のバイデン新政権が「米国のリーダーシップ」を掲げ、国連人権理事会に復帰すると明かした。トランプ前大統領がイスラエルに対する同理事会の姿勢を問題視し脱退して以降3年ぶりだ。
ブリンケン米国務長官。UPI=聯合ニュース提供。
ブリンケン米国務長官。UPI=聯合ニュース提供。

●「民主主義・人権・平等を中心とする外交政策に復帰」

8日、米国のブリンケン国務長官は声明文を通じ「大統領は国務省に対し、国連人権理事会との関係を直ちに強固なものとするよう指示した」と発表し、米国が国連人権理事会に戻ることを明かした。

声明ではまた、「私たちの(国連人権理事会)の脱退は、意味のある変化を奨励することにおいて、いかなる助けにもならなかったし、むしろ権威主義的な議題を持った国々が有利に利用し、米国のリーダーシップの不在を招いた」と問題意識を表明している。

さらに、「バイデン政権が米国をふたたび民主主義、人権、平等を中心とする外交政策に復帰させた」としながら、「多者間の道具の効果的な使用はこうしたビジョンにおける中心的な要素だ」と今後、積極的に同理事会と関わっている姿勢を示した。

国連人権理事会は国連総会の補助機構として、国際社会の人権と基本的自由を保護・増進するための組織だ。経済社会理事会の傘下にあった国連人権委員会が格上げされたもので、2006年に設立されている。

4年半に一度のサイクルで193の全ての国連加盟国の人権状況の審査する『普遍的定期検査(Universal Periodic Review、UPR)』を行う他、重大な人権侵害が認められる国家や主題に対して、特別報告官を任命する(現在は44人が活動中)。

現在の理事国は47か国で、任期は3年(2度まで再任可能)。アジアには13か国が割り当てられており、現在はバーレーン・バングラデシュ・中国・フィジー・インド・インドネシア・日本・マーシャル諸島・ネパール・パキスタン・フィリピン・韓国・ウズベキスタンとなっている。他にもフランス、ドイツ、イタリア、英国、ロシアなどが名を連ねる。

ブリンケン長官の声明に戻る。声明で同氏は「理事会の欠陥を解決し、その権限に応えるために米国は私たちの外交的なリーダーシップを最大限活用しなければならない」とし、「私たちは米国が同盟および友邦と共に理事会と建設的に協力する時、肯定的な変化に到達できると信じる」と明かした。

2018年6月にトランプ大統領は、同理事会がイスラエルに偏見と反感を抱いているとして、一方的に脱退した。この部分について声明では、「米国は依然として人権理事会がイスラエルに対する不均衡な観点を含め、議題や会員資格、焦点にたいする改革を必要とする欠陥のある機構であることを認識している」と言及した。

とはいえ、声明からは国連人権理事会に対する米国の態度が強く読み取れる。同理事会が「最悪の人権記録を持つ国々にスポットライトを当て、不正や専制政治と戦う人々のための重要なフォーラムとして機能」するよう、「米国は外交的リーダーシップの総力を挙げて、理事会のテーブルに立たなければならない」と決意を表明している。

今回の声明を多くの海外メディアが取り上げている。米AP通信は「ロシア、キューバ、エリトリア、ベネズエラなど国連人権理事会に加入しているが、こうした国々は人権侵害の疑惑がある」と指摘し、仏AFP通信は「今回の(復帰)措置は、前任者の政策をバイデン政権がひっくり返すものの一つ」と表現した。

だが今回、復帰を宣言したからといって米国がすぐに脱退当時の会員国に戻れる訳ではない。声明にもあるように、投票権を持たないオブザーバーのまま、今年10月の投票を待つ必要がある。

この度の米政府の決定により、中国はもちろん、トランプ政権時代には棚上げになっていた北朝鮮人権問題の追及にふたたび拍車がかかることが予想される。なお、北朝鮮は2019年に国連人権理事会による『普遍的定期検査』を受けている。当時の状況をまとめた記事は以下から読める。

国連で5年ぶりに北朝鮮人権「審査」…問われる韓国および各国政府の立場
https://www.thenewstance.com/news/articleView.html?idxno=2991

南北政府が無視する北朝鮮住民の人権…国連UPRを振り返る
https://www.thenewstance.com/news/articleView.html?idxno=2992

「今すぐタダで改善も」…国連専門家に聞く北朝鮮人権問題
https://www.thenewstance.com/news/articleView.html?idxno=2993


関連記事