忠州市で徘徊感知器を無料配布…韓国の自治体で広がる認知症ケア
忠州市で徘徊感知器を無料配布…韓国の自治体で広がる認知症ケア
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2021.02.16 01:57
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認知症患者が増え続ける中、韓国の地方自治体が認知症ケアに積極的に乗り出している。特に、徘徊対策用の感知器を企業と組んで無償で提供する自治体が増えている。
忠州市が配布する徘徊感知器。忠州市提供。
忠州市が配布する徘徊感知器。忠州市提供。

●約84万人が認知症

韓国保健福祉部傘下の「中央痴呆センター」が20年2月に発表した『大韓民国痴呆現況2019(Korean Dementia observatory 2019)では、18年の65歳以上の老人人口の内、認知症患者の数を約76万人と推算している。有病率は約10.16%だ。

また、65歳未満で認知症を患っているのは約8万3000人であり、合計は84万4000人にのぼる。2010年の約47万人から8年間で約37万人が増加したことになる。なお、韓国では認知症のことを「痴呆(チメ)」と呼ぶのが一般的だ。

そんな中、韓国の自治体で進んでいるのが徘徊感知器の無料配布だ。15日、忠清北道(チュンチョンブクト)忠州(チュンジュ)市は認知症患者のための徘徊感知器を、無償で100台配布すると明かした。

GPSを搭載した腕時計型のこの機器は、保護者の携帯電話と連動し、日常的な位置の確認を可能だ。さらに着用者が一定の地域を越える場合にはすぐ、保護者の携帯電話に連絡が行くようになっている。

忠州市は2018年からこの事業を始めているが、昨年まで189人に徘徊感知器を無償で渡した。今年は100人以上への配布を目指しているという。韓国の警察庁は、徘徊感知器を利用する場合、発見までの時間が平均66分と、未着用時に比べ10分の1以下に減る効果があるとする。

同様の事業は、韓国の様々な地方自治体で行われている。ソウル市は昨年6月、1000台の無償提供を行うと発表し、京畿道(キョンギド)でもやはり昨年、1000台の機器を無償提供するとしている。

背景には、企業の積極的な社会貢献がある。半導体大手の「SKハイニックス」は自社で開発・生産する徘徊感知器を前出のソウル市や京畿道に無償で提供し、毎月の通信費も無料にするなど支援を年々拡大している。

同社は2019年には発達障害を抱える人々への提供を合わせると、6000台の徘徊感知器を寄付したと韓国メディアは報じている。


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