新型コロナ以降、女性の幸福感は低下も国民としての自尊心は過去最高に…韓国世論調査
新型コロナ以降、女性の幸福感は低下も国民としての自尊心は過去最高に…韓国世論調査
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2021.02.25 08:49
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韓国で毎年恒例の社会調査が行われ、新型コロナ下での市民の幸福感や経済状況などに対する認識が明らかになった。社会的に脆弱な層での低下が目立つ一方、政府への信頼は増した。また、社会的な包容度も概ね上昇した。
「新型コロナ前・後の性別ごとの主観的な幸福感の変化」。左から「幸福感」、「生活の満足度」、「社会的地位」だ。赤丸が女性。水色の文字が2020年、黒が2019年のものだ。韓国行政研究院資料を筆者が加工。
「新型コロナ前・後の性別ごとの主観的な幸福感の変化」。左から「幸福感」、「生活の満足度」、「社会的地位」だ。赤丸が女性。水色の文字が2020年、黒が2019年のものだ。韓国行政研究院資料を筆者が加工。

●9つの分野での調査

社会統合世論調査とは、韓国の社会統合水準を測定するため、国策シンクタンクの一つ「韓国行政研究院」が2013年から毎年行っている調査。

調査は主観的な幸福(well-being)、社会参加、政治参加、社会的疎通、信頼、ガバナンス、公正性、寛容性(社会的包容)、社会保障の計9つの分野で行われる。

昨年は2020年9月から10月にかけて、全国の満19歳以上の成人男女8336人を対象に調査した。完全な報告書は2月末に公開されるが、今回はその中でいくつかの項目を同研究院が先に発表した。

大きな傾向として、2020年は新型コロナウイルス感染症が流行したことで、幸福度や経済状況・健康状態に対する評価が減少した。特に女性や青年、低所得者で低下が顕著だった。一方で、韓国政府に対する評価や国民としての自尊心は過去最高となった。

調査ではまた、社会的少数者に対する包容度の意外な実態も明らかになった。報告書では、今回の調査を「コロナ以前と以降の変化」と位置づけ解釈を行っている。

●女性の幸福感が減少

まず、『主観的な幸福(well-being)の水準』の項目では、「幸福感」は6.4点(10点満点)と,昨年の6.5点よりも微減した。男性は昨年と同じだったが、女性は昨年の6.7点から6.4点へと減った。

さらに「生活に対する満足度」は6.0点(10点満点)で昨年と同様だった。しかしここでも男性は昨年に比べ0.1点上昇した6.0点だった一方で、女性は昨年の6.1点から6.0点に下げた。

男性よりも女性の幸福度が低い傾向は、「社会的地位」を問う項目でも明らかになった。男性は昨年と同じ5.3点(10点満点)だったが、女性は5.1点と昨年よりも0.1点減少した。

続く『経済状況、健康状態の評価』の項目を見ると、「現在の経済状況の安定の程度」では4.8点(10点満点)と昨年の5.0点よりも減少した。また、「今後の経済状況の展望」では5.4点(10点満点)、「健康状態」では3.6点(5点満点)とそれぞれ昨年よりも0.1点下落した。

「年代別の経済状況」では、19歳〜29歳が4.5点(10点満点、昨年4.8点)、50代が5.1点(昨年5.2点)、60代以上が4.6点(昨年5.0点)と減少し、30代と40代は横ばいだった。

「収入別の幸福感」では月収300万ウォン(約28.6万円)未満が6.0点(10点満点、昨年6.2点)、300万以上500万ウォン(約47.7万円)未満が6.5点(同6.7点)とそれぞれ減少した。500万ウォン(約47.7万円)以上は6.6点で昨年と同じだった。

また、「健康状態」では月収300万ウォン未満が3.2点(5点満点、昨年3.4点)だった。300万以上500万ウォン(約47.7万円)未満が3.7点(同3.8点)、500万ウォン(約47.7万円)以上は3.8点(同3.9点)とそれぞれ減らした。

こうした結果からは、青年層と壮年層の経済状況が悪化し、収入が少ない層で幸福感がより下がっている点がうかがえる。

なお、『主観的な幸福(well-being)の水準』の項目で10点(とても幸福だった)と答えた割合は1.5%と、昨年の4.5%よりも減った。

●地方政府への評価は上昇

他方、韓国の政治・経済・民主主義の水準に対する満足度を問う設問への回答は、歴代最高水準となった。

「政治」は4.5点(10点満点)で2017年と並び過去最高だった。「経済」は4.4点(10点満点)で2013年以降、最高値となった。とはいえ、「普通」である5点を下回っている点には留意したい。

また、2018年から導入された「民主主義の水準」は5.7点(10点満点)と、やはり過去最高の満足度となった。

続いて、「私は大韓民国の国民であることが誇らしい」という質問への回答は、平均で3.1点(4点満点)と、昨年の2.9点よりも上昇した。

「政府と国民の間の疎通に対する認識」も昨年よりも好転した。いずれも4点満点で、中央政府2.3点(昨年2.2点)、国会2.0点(同2.0点)、地方政府2.4点(同2.2点)、地方議会2.3点(同2.2点)と減少した項目はなかった。

「機関の信頼度」については、やはり4点満点で医療機関2.8点(同2.6点)、地方自治体2.6点(同2.4点)、中央政府部処2.4点(同2.3点)、国会1.9点(同1.9点)と昨年よりも高い評価を得た。

特に地方政府、地方自治体の伸びが著しいが、これについて研究院側はレポートで、「新型コロナという災難状況で、地方政府の役割が目立ったことによる」と見立てた。

●社会的包容性は上昇も…

最後に、韓国の様々な集団に対する「社会的包容性」を聞く設問では、評価がばらけた。

今年から導入されたこの調査は、各集団に対し0度から25度、50度、75度、100度で感情の温度を表現する調査で、温度が高いほど受け入れる度合い(包容性)が高いと見なされる。

高い順に並べると、青年層58.3度、高齢層56.6度、異性55.3度、障碍者50.2度、政治的意見が異なる人44.3度、宗教が異なる人42.8度、国内に居住する外国人39.7度、北韓離脱住民(脱北者)38.6度、初対面の見慣れない人32.5度、同性愛者23.5度、前科者15.8度という結果だった。

また、各集団を排除する割合については、「(同じ)集団の構成員」もしくは「子女の配偶者」と仮定した場合での回答を求めた。それぞれ、対象として認められるか、ということだ。

排除の度合いが高い順に並べると、「集団構成員」としては前科者69.4%(昨年68.0%)、同性愛者57.0%(同57.1%)、北韓離脱住民18.3%(同25.5%)、外国人移民者・外国人労働者9.9%(同11.3%)、障碍者3.6%(同5.1%)、一人親家庭の子女3.0%(同4.2%)という結果だった。

他方、「子女の配偶者」と仮定する場合の排除の度合いは、前科者77.9%(75.9%)、同性愛者74.3%(同74.2%)、北韓離脱住民30.1%(同40.2%)、外国人移民者・外国人労働者28.2%(同30.7%)、障碍者24.0%(同27.0%)、一人親家庭の子女11.9%(同15.5%)という結果だった。

研究院側はこの結果について「前科者に対する認識を除けば、2019年に比べ2020年には社会的な包容の水準が高まった」と評価した。

だが筆者は個人的に、「各集団に対する排除の度合いが思っていたよりも高い」という印象を受けた点を付け加えておきたい。


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