[全訳] 第102周年3.1節記念式 文在寅大統領演説(2021年3月1日)
[全訳] 第102周年3.1節記念式 文在寅大統領演説(2021年3月1日)
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2021.03.01 11:23
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2021年3月1日、ソウル・タプコル公園で行われた「3.1独立運動102周年記念式典」における、文在寅大統領による演説全文翻訳です。記者団に配布した韓国語演説文を本紙で翻訳したものです。
2021年3月1日、ソウル・タプコル公園で演説する文在寅大統領。政府放送KTVよりキャプチャ。
2021年3月1日、ソウル・タプコル公園で演説する文在寅大統領。政府放送KTVよりキャプチャ。

●3.1独立運動102周年記念式典 記念辞

尊敬する国民の皆さん、
海外同胞の皆さん、

3.1独立運動が始まった歴史の現場で史上初めて、3.1独立運動記念式が開かれることになり、とても特別で、感慨深いです。

102年前の今日、ここタプコル公園で民族の回復と跳躍が始まりました。

天道教、キリスト教、仏教が宗教の壁を越えて心を一つにし、学生たちが民族大連合の先頭に立ちました。

1919年3月1日午後2時、一人の青年が八角亭に登り独立宣言書を朗読しました。

朗読が終わるや万歳の声が空を覆いました。世界最大の非暴力運動、3·1独立運動が始まった瞬間でした。

タプコル公園で始まった自由と独立の叫びは、平凡な国民を民主共和国の国民として生まれ変わらせ、正義と平和、人道主義に向けた叫びは植民地の民を一つにまとめる、統合の喊声になりました。

3.1独立運動は、植民支配の収奪から民族の暮らしを回復するために全国民が共にした運動でした。

3.1独立運動によって私たちは植民地克服の動力を見出し、民族の跳躍を始めることができました。

逆境を乗り越え、大韓民国の歴史の反転を成し遂げた誇らしい祖先たちに深い尊敬を捧げます。

国民の皆さま、

100年という長い歳月が流れましたが、国難に立ち向かう韓国の国民の献身と底力は今も変わりありません。

1年以上の及ぶ新型コロナの脅威に私たちは屈しませんでした。

去る1年、国民たちは防疫の主体となって大韓民国を守ってくださいました。

防疫要員と医療陣は、職業的な責任感を超える、驚くべき献身と犠牲を見せてくれました。

3.1独立運動の前年、日帝の武断統治と収奪に苦しんだ1918年にも「スペイン風邪」という新種の感染症がわが同胞を襲いました。

当時の人口の4割を超える755万人の患者が発生し14万人以上が命を失いました。

「コレラ」もやはり「死」を意味しました。致命率が65%に達し,1920年だけで約3500人が命を落としました。

日本は植民地の民を伝染病から守ることができませんでした。

防疫と衛生を口実に強制戸口(戸籍)調査と無条件隔離を日常的に行い、1920年当時、医者1人当り担当人口数が実に1万7千人に達しました。

そんな過酷な医療の現実の中で、医学徒たちは3.1独立運動に最も積極的に参加しました。

京城医専科セブランス医専の学生たちがタプコル公園の万歳示威を主導し、セブランス病院の看護師たちとセブランス医専看護部の学生たちも包帯を持って街に飛び出し共に参加しました。

逮捕された学生の中で京城医専の学生が最も多かったです。

家族と隣人、共同体の生命を守ったのは、3.1独立運動を通じ覚醒した韓国の国民自らでした。

大韓民国臨時政府が樹立されるや医療人たちは、独立運動で弾圧を受ける民族の救護のために上海で大韓赤十字会を設立し、1920年には「赤十字看護員養成所」を建て、独立軍を治療する看護師たちを育てました。

コレラが流行するや全国各地の青年·学生たちは青年防疫団を組織し、無料予防接種や消毒などの防疫活動を行い、大きな歓迎を受けました。

ソウルでは13棟、3千世帯余りが連合自衛団を組織しコレラに立ち向かいました。

孝子洞をはじめとする8つの洞の住民は、伝染病病院を設立するための組合を結成し、1920年9月4日、ついに初の私立伝染病隔離病院「孝子洞ピ病院」が設立されました。

朝鮮人が建てた病院で、朝鮮人医師と看護師、韓方医師が全力を尽くして患者を治療しました。

今日の新型コロナの状況から見ると、私たち自らが私たちの患者を助けようとし、自らの医療システムを整えようとした先代の努力が、とても胸に響きます。

今日、私たちが新型コロナに打ち勝つ力が、100年前の医療人たちの献身と犠牲から来ているということが、とても誇らしいです。

国民の皆さん、

100年が経った今、韓国の保健医療システムは世界的な水準を誇れるようになりました。

低所得層は、いつでも年間80万ウォン以下の自己負担で健康保険が適用される治療を受けることができ、重症患者の保障率も80%まで上がりました。

私たちの医療は、大腸がんや胃がんをはじめとする各種がんや脳卒中治療において世界最高レベルという評価を受けており、期待寿命と乳児死亡率、癌疾患生存率など主な指標でOECD上位圏を記録しています。

このように驚くほど発展した保健医療システムと、バイオ医薬品生産能力が「K-防疫」の基盤となりました。

100年を経ても変わらないものがさらにあります。

互いの面倒を見て頼る「包容」と「相生(共生)」の心です。

これこそどんな危機も乗り越えられるようにする、私たちの国民の力です。

 

 

私たちは国民の力で多くの危機と逆境に打ち勝ち、今も新型コロナ危機に打ち勝とうとしています。

3.1独立運動は民族指導者が始めましたが、あらゆる弾圧に打ち勝ち全国的な万歳運動へと拡散させたのは、平凡な普通の人々でした。

今、隣人のために毎朝マスクを着用する国民の気配りと、社会的距離戦略を実践する国民の心の奥深くにも、国難克服のために共にした3.1独立運動の精神が息づいていると思います。

隣人のために忍耐し犠牲となってきた国民と、今この瞬間にも隔離病棟で働く医療陣の努力により、新型コロナとの長きにわたる闘いも、やっと終わりが見えています。

十分な物量のワクチンと特殊注射器が確保され、計画にしたがいワクチン接種が支障なく進められています。

政府は最後まで防疫に最善を尽くし、国民一人一人皆が新型コロナから安全になる時まで、ワクチン接種に万全を期し、次の冬に入る11月まで集団免疫の獲得を成し遂げます。

新型コロナ防疫において、政府が終始一貫して守ってきた第1の原則が「透明性」です。 政府は防疫に必要なすべての情報を常に透明に公開してきました。

ワクチン接種も同じです。ワクチン接種の戦略と物量確保、接種計画と接種現況を透明に公開し、常に国際基準に従っています。

国民の皆様が、ワクチン不信を助長するフェイクニュースを警戒してくださり、ワクチン接種に積極的に協力してくださるようお願いいたします。

尊敬する国民の皆さん、
海外同胞の皆さん、

1946年、解放後初めて開かれた3.1節記念式で、臨時政府で国務委員を務めた趙素昻(チョ·ソアン)先生は、「わが同胞を自由民とし、政治的権利を持たせ、衣食住の心配のない、真の光復を成し遂げる」と宣言しました。

大韓民国臨時政府は建国の理念で、「私たち自ら力がある時、個人と個人、民族と民族、国家と国家間の平等な発展が可能である」とする「三均主義」を公表しました。

素朴ですが遠大な夢であり、私たちはこの夢の上で驚くべき成就を成し遂げました。

世界最貧国から世界10位圏の経済力に成長し、世界7大輸出大国となり、1人当たり国民所得3万ドル時代を開きました。

半導体、スマートフォン、ディスプレイなど、韓国の先端IT製品が世界でシェア1位を占める時代になりました。

世界初の5G商用化に続き、電気自動車や水素自動車など、環境にやさしい未来車でもリードしています。

素材·部品·装備産業で自立し、システム半導体とバイオ産業の成長速度も誇るに値します。

青年たちの高等教育履修率もOECD加盟国の中で最も高いです。

絶えず学び知識を積んだ韓国国民の底力が経済成長の原動力でした。

私たちは成熟した民主主義の力で、新型コロナ危機の中で防疫と経済の模範を作り、「K-防疫」の成果と経験を世界と共有しています。

開発途上国と保健脆弱国への支援も拡大しています。

100年前、「パリ平和会議(パリ講和会議)」の入り口を超えられなかった私たちが、今やG7首脳会議に招待されるほど堂々とした国になりました。

今年、G7首脳会議に参加することで、私たちが成し遂げた政治、経済、社会、文化の全ての成就の上で「先導国家、大韓民国号」が出発する確実な里程標を作ります。​

私たちは国際社会との協力の中で成長してきましたし、これからも世界とともに回復し、跳躍していきます。

100年前、私たちの祖先はこの場所で、人類平等の大義とともに、独立宣言の目的が日本を憎み排斥するのではなく、国家間の関係を正し、東洋平和と世界平和を実現しようとすることにある点を宣布し、非暴力平和運動を宣言しました。

私たちは100年前の祖先たちから、国家間の互恵平等と平和を目指す精神を継承してきました。

100年が経った今、私たちは新型コロナに立ち向かい、連帯と協力、多者主義と包容の精神がどれほど重要なのか、いま一度切実に感じています。

私たちは力が支配する一方的な世界秩序の中で、植民主義と戦争により人類皆が不幸になる時代を乗り越えました。

私たちはグローバルサプライチェーンを維持するため、国際的な連携と協力がいかに重要であるかに気付き、ワクチンの早期開発のために世界各国が協力する必要があり、世界的な集団免疫の獲得のために開発途上国とワクチンを公平に分けるべきであるということも、認識するようになりました。

今や世界は共存と新たな繁栄のために、連帯と協力、多者主義の精神を蘇らせなければなりません。

新型コロナ克服はもちろん、気候変動への対応といった地球的な問題について、多者主義に立脚した解決策を模索しなければなりません。

今や私たちには、多者主義に基づいた連帯と協力を先導する力量も生まれました。

昨年12月、私たちは米国、中国、ロシア、モンゴルと共に「東北アジア防疫·保健協力体」を発足させました。

日本も参加を検討しており、ひいては北朝鮮も共に参加することを期待します。私たちは最も積極的に参加国と協力するでしょう。

新型コロナのような新種の感染症と家畜伝染病の超国境的な拡散は、一国の次元を超えて多国間主義的な協力によってのみ、効果的に対応できます。

韓半島(朝鮮半島)の非核化と恒久的平和のためにも変わらず努力します。

戦争不容認、相互安全保障、共同繁栄という3大原則に基づき南北関係を発展させていきます。

国民の生命と安全を守るための「東北アジア防疫·保健協力体」への参加を皮切りに、北韓(北朝鮮)が域内国家と協力して交流するようになることを希望します。

韓半島と東アジアに、相生(共生)と平和の扉を開く力になるでしょう。

国民の皆さん、

日本と私たちの間には過去、不幸な歴史がありました。

今日はその不幸な歴史の中で最も劇的だった瞬間を記憶する日です。

私たちはその歴史を忘れられません。

加害者は忘れられても、被害者は忘れられないものです。

しかし100年が過ぎた今、韓日両国は経済、文化、人的交流などあらゆる分野で互いにとても重要な隣人になりました。

過去数十年間、韓日両国は一種の分業構造を土台に、共に競争力を高めてきており、韓国の成長は日本の発展に役立ち、日本の成長は韓国の発展に役立ちました。これからも変わらないでしょう。

私たちが乗り越えなければならない唯一の障害物は、時折、過去の問題を未来の問題と切り離すことができず混ぜてしまうことで、未来の発展に支障をもたらすいうことです。

私たちは、過去の歴史を直視しながら教訓を得なければなりません。

過去の過ちから教訓を得ることは決して恥ずかしいことではなく、むしろ国際社会で尊重される道です。

韓国は過去の植民地となった恥ずべき歴史と、同族相残(同じ民族同士で争うこと)を繰り広げた悲しい歴史を決して忘れずに、教訓を得ようと努力しています。

しかし、過去のことに足を引っ張られてはなりません。

過去の問題は過去の問題として解決していきながら、未来志向的な発展により力を入れなければなりません。

韓国政府はいつも被害者中心主義の立場で賢い解決策を模索していきます。

被害者の名誉と尊厳を回復するためにも最善を尽くします。

しかし、日韓両国の協力と未来の発展のための努力も止めません。

両国の協力は両国のすべての人々に役立ち、東北アジアの安定と共同繁栄に役立ち、韓・米・日の3カ国協力にも役立つはずです。

しかも、今は新型コロナの危機を共に克服し、ポストコロナ時代に向けて 共に準備していく時です。

隣国間の協力が今のように重要でない時はなかったということを、強調したいです。

3.1独立宣言書は日本に対し、勇ましく賢明に過去の過ちを正し、真の理解に基づき友好的な新しい関係を築こうと提案しました。

私たちの精神はあの時も今も変わっていません。

韓国政府はいつでも日本政府と向かい合って対話を交わす準備ができています。

易地思之(立場を変えて考える)の姿勢で膝を突き合わせるならば、過去の問題であっても、いくらでも賢明に解決できると確信します。

韓日両国は過去と未来を同時に見つめ、共にに歩いています。

今年開かれる東京オリンピックは韓日間、南北間、日朝間そして朝米間の対話の機会ともなり得ます。

韓国は東京オリンピックの成功的な開催のために協力するつもりです。

さらに韓日両国が新型コロナで打撃を受けた経済を回復し、より強固な協力でポストコロナ時代の新しい秩序を一緒に作っていくことを願います。

国民の皆さん、
独立有功者と遺族の皆様、

現在、私たちのそばにいらっしゃる生存独立有功者は24人に過ぎません。

皆90歳をはるかに超えました。

独立有功者たちは全身で民族の運命を抱きしめて来られた方々であり、独立有功者の皆様に、誉れ高く平安な生活を差し上げることに、国家は無限の責任があります。

政府は昨年、独立有功者たちのために、訪問する在宅福祉サービス特別機動班を運営しました。

独立有功者と遺族を含め、約4万4千世帯に新型コロナ緊急救護物品をお届けし、具合の悪い方々を病院にお連れしました。

海外の独立有功者とその子孫にもマスクなどの防疫物品を支援しました。

政府は今月から、独立有功者の自宅を直接訪問する「韓方主治医制度」を施行する予定です。

12月からは独立有功者をはじめとする国家有功者に「自動走行スマート車いす」を支給し、「人工網膜」、「スマート補聴器」の開発にも本格的に着手する予定です。

政府はその間、独立有功者の審査基準を改善し歴代最高の水準で独立有功者を見つけ、褒賞してきました。

独立運動史料の収集を強化し、公的審査基準をさらに改善することで、報奨対象を拡大していきます。

3.1独立運動の主役であった学生たちは、1926年の6.10万歳運動、1929年の光州学生独立運動を通じ、3.1独立運動の精神を連綿と受け継いでいきました。

政府は2018年、6.10万歳運動を国家記念日に指定し、今年から記念式を政府主管の行事として挙行するようになります。

3.1独立運動、光州学生独立運動とともに、「3大独立運動」すべてが国家記念日となり特別な思いです。

臨時政府の要人の帰国日である今年11月23日、国立大韓民国臨時政府記念館がついに開館します。

命をかけた武装闘争と義烈活動、必死の外交戦、ついに成し遂げた光復軍の左右合作と国内進攻作戦の準備まで、大韓民国臨時政府27年間の偉大な大長征を生き生きと蘇らせることでしょう。

韓国の独立運動の歴史が、未来の世代に大きな誇りと自負心となることを願っています。

尊敬する国民の皆さん、
海外同胞の皆さん、

3.1独立運動後の韓国の100年は、植民地支配、分断と戦争、貧困と独裁を克服してきた100年です。

人類普遍の価値である自由と平和、正義と人道主義に向かって前進してきた100年です。

私たちは今、3.1独立運動の精神と民主主義、包容と革新の力で新しい道を切り拓いており、世界は私たちの歩みに注目しています。

私たちは連帯と協力により、大切な日常を回復していきます。

人道主義と多者主義、相生(共生)と包容の精神により国際秩序を先導する国になります。

ここタプゴル公園には、危機と逆境の中で歴史の反転を成し遂げた先烈の精神が生きており、私たちは先烈を記憶し、前に進んでいきます。

一緒に行う時、私たちはもっと強いです。
より高く跳躍いたします。

ありがとうございます。


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