米韓の防衛費分担金交渉まとまる…今後は韓国の国防予算と連動し増額
米韓の防衛費分担金交渉まとまる…今後は韓国の国防予算と連動し増額
  • The New Stance編集部
  • 承認 2021.03.10 23:00
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トランプ政権下で暗礁に乗り上げていた、在韓米軍の駐留費用を含む米韓間での防衛費分担金交渉がついに妥結した。韓国側の負担が大きくなる内容に、韓国内では批判の声があがっている。
3月5日から7日にかけて、米国・ワシントンDCで最後の交渉が行われた。写真は韓国のチョン・ウンボ韓米防衛費分担協商大使(右)と、米国のドナ・ウェルトン国務省防衛費分担協商代表。韓国外交部提供。
3月5日から7日にかけて、米国・ワシントンDCで最後の交渉が行われた。写真は韓国のチョン・ウンボ韓米防衛費分担協商大使(右)と、米国のドナ・ウェルトン国務省防衛費分担協商代表。韓国外交部提供。

●1年3か月ぶりに妥結

10日、韓国政府は第11次防衛費分担特別協定(SMA、Special Measures Agreement)の協商が最終的に妥結したと発表した。外交部の発表によると、妥結に至るまでトランプ政権で7度、バイデン政権になって2度の公式会議を経ての着地となった。

前回の第10次防衛費分担金特別協定は2019年12月31日に終了しているため、約1年3か月ぶりに交渉がまとまったことになる。

今回の協定は2020年から2025年までの6年間有効な、多年度協定となる。

トランプ政権下で妥結せず宙ぶらりんになっていた2020年度の予算は1兆389億ウォン(約989億円)と、2019年から凍結となった。今後、先に韓国が特別法を通じ勤労者に支給した生計支援金などを差し引いて米国に支給する。

また、2021年の総額は、2020年から13.9%増加した1兆1833億ウォン(約1126億円)となる。国防費の増加率7.4%と、防衛費負担金のうちの人件費増額分6.5%を足したものだ。外交部は「この増加率は例外的なもの」と説明する。

実際に2022年は2021年の国防費増加率5.4%を適用した金額となり、2023年以降は前年度の国防費増加率を適用するかたちとなる。

増額率を国防費の増加率とした理由について、外交部は▲韓国の財政水準と国防能力を反映する点、▲韓国国会の審議を通じ確定する点、▲国民の誰もが明確に確認可能で信頼できる合理的な基準である点を挙げている。

今後の金額の見通しについては、国防中期計画に従い年間6.1%の増加と仮定する場合には、2025年に1兆4896兆ウォン(約1418億円)となる。2020年と比べると、5年で43%上昇することになる。

●急激な上昇に批判も、韓国人労働者は歓迎

この上げ幅について、韓国内では「高すぎる」と批判が出ている。

過去の第8次(2009〜13年)と第9次(2014年〜18年)の協定の際には、前々年度の物価上昇率を反映しながらも、年間の増加率は4%を超えないように上限が設けられていたが、今回の協定には上限がない。

特に第9次の際には低物価により年間の増加率が1%内外にとどまっていたことを考えると、かなりの増額と見なすことができる。

今回の増額について、外交部の当局者は「国力に合った分担が必要との認識だ」と背景を明かし、「これからは同盟と関連し、特に防衛費分担金に関しては思考の転換が必要だ。分担できることは分担するつもりだ」と説明している。

一方、外交部は今回の協定が多年協定である点を評価している。トランプ政権下では米国が過度の増額を要求してきたことにより、韓国は一年ごとの協定協商を受け入れたが、これを是正した格好だ。

また、今回の協定では、交渉がまとまらずに空白状況となる場合にも、前年度の水準で人件費支給が可能という規定を明文化した点も評価されている。いずれも約8000人の韓国人労働者の雇用安全につながるためだ。

なお、韓国が支払う防衛費分担金は、▲韓国人労働者の人件費、▲軍事建設費(施設の建設)、▲軍需支援費(弾薬貯蔵や整備、施設維持)という分野に分けられ、在韓米軍の安定的な駐屯のために使われる。

2019年の場合には人件費が48%、軍事建設費36%、軍需支援費16%という割合だった。米国製武器の購入は含まれていない。


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