そんな中、1980年の「5.18光州民主化運動」で軍部による激しい住民弾圧を経験した韓国の市民社会は早くから連帯の意思を示してきた。だが今回、悪化を続けるミャンマー事情を前に、改めてミャンマーの民衆と共にあることを強調した。

●光州の市民団体・民主化運動関連団体が一堂に
11日、光州市内の市民団体と、「5.18光州民主化運動」関連団体は会見を開き、ミャンマー軍部に対し「虐殺をやめよ」と迫った。
同時に、30以上の団体が集まり「ミャンマー軍部クーデター反対と民主化支持光州連帯(ミャンマー光州連帯)」が結成され、発足式も行われた。
同連帯には光州の女性団体連合会や外国人福祉センター、移住民人権ネットワーク、民主社会のための弁護士会光州全南支部といった市民団体をはじめ、光州仏教連合会、光州天主教(カトリック)正義平和委員会といった宗教者の団体、さらに5.18記念財団、5月のオモニ会といった光州民主化運動を今に伝える関連団体が名を連ねた。
同連帯はこの日発表した声明書の中で、「自国民を対象にした照準射撃、民主人士とデモ指導部に対する逮捕と拷問、老若男女を問わず行われた無慈悲な暴行、真実を隠すためのメディア統制、そして特殊部隊の投入に至るまで、2021年のミャンマーは1980年5月の光州と瓜二つだ」と、光州とミャンマーを同列に並べた。
その上で、「全世界の民主的な良心勢力がミャンマー民衆と共にするため、ミャンマー軍部は必ず敗北するだろう」とし、「ミャンマーの人々の小さな力にでもなれるように、光州市民も連帯する」と明かした。
●韓国政府や国連にも行動促す
また、韓国政府に対しては「不義に目をつぶらず、ミャンマー民衆の闘争を支援するため外交的な努力を果たすよう」求めた。
韓国政府は11日に開催した国家安全保障会議(NSC)で、ミャンマーに言及した。「ミャンマー軍部・警察の暴力的な鎮圧を強く糾弾し、ミャンマーの憲政秩序が民主的・平和的に早急に回復されるよう国際社会と共に行える実質的な措置を採る」と明かしている。
声明ではまた、国連に対しても行動を促した。
「特定の国家が集団虐殺や戦争犯罪、民族浄化や反人倫的犯罪という4大犯罪から自国民を保護できないならば国際社会が介入すべきという国連の原則を守れ」とし、「この先、どれだけ死ねば国連が行動を起こすのかというミャンマー市民の叫びからこれ以上目を背けてはならない」と主張した。

以下は声明書全文。翻訳は本紙。
●「光州連帯」声明文
虐殺をやめよ!
(2021年3月11日、ミャンマー軍部クーデター反対と民主化支持光州連帯)
1980年5月の光州とこんなにも似ているのか!
今、ミャンマーでは1980年5月の光州での虐殺が繰り返されている。70人が超える罪のない市民がミャンマークーデター軍の野蛮な銃剣により虐殺され、負傷者は数えきれないほどで、逮捕された人も2000人に達している。
ミャンマー軍部は虐殺行為を隠すために、クーデター反対デモの現場で軍が発射した銃弾を受け死亡した19歳女性チェー・シンの遺体を奪取する蛮行を犯した。自国民を対象にした照準射撃、民主人士とデモの指導部に対する逮捕と拷問、老若男女を問わず行われた無慈悲な暴行、真実を隠すためのメディア統制、そして特殊部隊の投入に至るまで、2021年のミャンマーは1980年5月の光州と瓜二つだ。
光州の市民たちは私たちの兄弟姉妹であるミャンマーの民衆たちに加えられた暴力と虐殺に怒る。光州の市民達はミャンマーの民衆達の勝利を願う全世界の民主的な良心勢力と共に、自国民の声明を奪うミャンマー軍部の野蛮な暴力を糾弾する。5月の英霊(訳注:光州民主化運動の犠牲者)たちと光州市民は命令する。今すぐ虐殺をやめよ!ミャンマーの軍と警察は今すぐ虐殺をやめ、国民の生命を守る本来の任務に戻れ!
ミャンマーの民衆と共にするために「光州連帯」を結成する。
不法と暴力で政権を奪取しようとするミャンマー軍部の試みは、決して成功しないだろう。死も辞さず闘争に臨むミャンマー民衆の意志に勝つことができないからだ。闇で光を覆おうとするミャンマー軍部は敗北するだろう。ミャンマーの民衆と連帯して共に闘う全世界の民主的な良心的勢力が共にするからだ。
私たちは巨大な暴力の恐怖を克服し、民主主義に向けて進むミャンマーの民衆の闘争を支持する。ミャンマーにおける民主主義の発展は、人種間の葛藤と差別、軍部独裁の下で起きる不正腐敗を越え、ミャンマーの民衆の暮らしの尊厳を回復する決定的な勝利になるだろう。またミャンマーの勝利は自由と平等、平和を望むすべての人々の勝利になるだろう。
彼らに少しでも力になるため、光州の市民たちは連帯の道を歩む。1980年5月の末裔である光州はこのために官・民・政を網羅する「ミャンマー軍部クーデター反対と民主化支持光州連帯」を結成する。韓国とアジア民主主義の心臓とも言える光州は、私たちに与えられた時代的責務に目をつぶらないだろう。光州は私たちの兄弟姉妹であるミャンマーを決して寂しく放置しないだろう。彼らが勝利するまで、私たちは止まらずに共に進むつもりだ。
光州の市民、そして韓国の民主市民に訴える。ミャンマーでの虐殺を止められるよう連帯してほしいというミャンマー民衆の叫びに背を向けるのはやめよう。ミャンマーの民衆が民主主義の新しい日を迎えることができるように熱く連帯しよう!ミャンマー軍部のクーデターを阻止し、ミャンマー民衆の民主主義のための闘争が勝利するその日まで一緒に進もう!
韓国政府に訴える。私たちは目覚ましい経済発展とともに、成熟した民主主義を発展させてきた。1980年5月とろうそくの精神は「不義」への反対であり、正義への念願だ。韓国政府が自分たちの仕事ではないと、不義に目をつぶらないことを望む。ミャンマー軍部のクーデターを阻止し、民主主義に向かうミャンマーの民衆の闘争を支援するための外交的努力を果たすことを要請する。
国連に訴える。死者の数が一気に増えるや、ミャンマーの市民は外交的・経済的制裁を超えて国連軍が直接乗り出すことを要請している。国連には特定の国家が集団虐殺や戦争犯罪、民族浄化や反人倫的犯罪という4大犯罪から自国民を保護する責任を果たさない時、国際社会が強制措置などを通じて乗り出さなければならないという原則がある。国連は「この先、どれだけ死んだら国連が行動を起こすのか」というミャンマー市民の叫びにこれ以上目を背けてはならない。
私たちの主張
−光州はミャンマーの民主化を支持する。ミャンマー軍部はクーデターを中断せよ。
−ミャンマー軍部はミャンマー国民に対する無差別な殺傷行為を即刻中断せよ。
−国際社会はミャンマーの国民を保護するための行動に今すぐ出よ。
−これ以上どれだけ死ねばよいのか?国連は即刻行動に出よ。