だが、この運動は韓国社会に大きな衝撃と勇気を与え、1987年6月に大統領直接選挙制度を勝ち取ったいわゆる“韓国民主化”の呼び水となった。
その舞台となった光州(クァンジュ)市で13日、2月に国権を簒奪したミャンマー軍部に立ち向かうミャンマー市民を応援するデモが行われた。

●「諦めずに前へ」
この日、デモを行ったのは「5月の民主女性会」、「光州アジア女性ネットワーク」、「光州全南6月抗争記念事業会」など、いずれも1980年代の民主化運動に参加した市民たちが参加する市民団体だ。
デモに参加した市民たちは「41年前の『5.18光州民主化運動』当時、光州の市民たちも同じような痛みを受けた」とし、ミャンマーで広く行われている鍋を叩き不服従を表すパフォーマンスを行った。また、デモに韓国に住むミャンマー人も参加した。
デモが行われた「5.18民主広場」では、ミャンマー現地で行われているデモの写真展や、ミャンマーの民主主義を応援する光州の芸術家たちによる設置美術展なども行われた。
他にも市民たちの口からは、「民主主義を叫ぶミャンマーの市民たちは、ミャンマー軍部の銃に倒れ、逮捕され拷問を受けるなど、軍部の野蛮な暴力は極限に達している。それにもかかわらず、国連をはじめとする国際社会は眺めているばかりだ」といった連帯の言葉が相次いだ。
参加団体の代表の一人、『5月の民主女性会』のユン・チョンジャ代表はさらに、「ミャンマーの姿を見ながら、80年5月の残酷な記憶が蘇る」とし、「私たちは同じ経験をしたため、ミャンマーの国民たちと連帯し、ミャンマーの国民たちが必ず勝利すると信じる。諦めずに前に進んで欲しい」と訴えた。

ユン代表はまた、「ミャンマーの市民たちにとって『ニムのための行進曲』にあたる『トゥエ・テサ(血の約束)』、『ガバ・マジ・ブ(どうして忘れようか)』といった歌は、独裁を行う軍部が最も嫌う歌になるはずだ」とし、「ミャンマーの民主主義を願う市民たちと光州のオモニ(母)たちが共に闘い応援する」と強調した。
なお、光州では今月11日、30あまりの市民団体が連合しミャンマー民主化を訴える『ミャンマー軍部クーデター反対と民主化支持光州連帯』が発足し、同地は韓国におけるミャンマー民主化デモ支援の一大拠点となっている。
一方、ミャンマーでは13日、14日の2日間で軍部により数十人の市民が殺害されるなど、民主化を求める声を封じ込める動きがエスカレートしている。