●[全訳] 2021年 韓米外交・国防長官会議共同声明(2021年3月18日)

大韓民国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交長官と徐旭(ソ・ウク)国防長官は2021年3月18日にソウルで、米合衆国のアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官と共に韓米外交・国防長官会議を開催した。

両国の長官たちは70年前に戦場での血で結ばれた韓米同盟が朝鮮半島とインド・太平洋地域の平和、安全保障、そして繁栄の核心軸（linchpin）であることを再確認した。汎世界的な脅威が高まっている状況で、韓米同盟はいつにも増して重要だ。

また、両国の長官たちは韓米同盟が相互尊重と信頼、緊密な友情、強い人的な絆、そして自由、民主主義、人権、法治という共有された価値を基盤に、包括的で世界的な協力関係に発展していることを評価した。 両国の長官たちは強固な交易関係、気候危機対応の協力、伝染病対応および新型コロナウイルス以降の経済回復での協力など、様々な分野で相互補完的で未来志向的な協力をより増進していくことにした。

両国の長官たちは「韓米相互防衛条約」にしたがい、韓国の防衛と韓米連合防衛態勢の強化に対する相互公約を再確認した。オースティン国防長官とブリンケン国務長官は、米国による対韓防衛公約及び全ての範疇の力量を使った拡張抑制公約を再確認した。両国の長官は同盟の抑制態勢を強化していくことにし、連合訓練・練習を通じ同盟に対するすべての共同脅威に対抗し合同準備態勢を維持することが重要であることを再度強調した。両国の長官たちは、在韓米軍が韓半島（朝鮮半島）および域内の平和と安定維持に重要な役割を持続的に果たすことに注目し、韓米が共同して挑戦に対処するために必要な戦力態勢と力量を確保するための努力を続けていくことにした。

両国の長官たちは新しい多年度防衛費分担特別協定に対する原則的な合意が、韓米同盟に対する共同の意志を象徴し、在韓米軍の安定的な駐屯を支援し連合防衛態勢を強化することを確認した。

両国の長官たちは、韓米が2006年に戦作権（戦時作戦権）の転換を推進すると決定して以来、両国共同の努力を通じて大きな進展を遂げたことに注目し、「条件に基づいた戦作権返還計画」にしたがい戦作権を転換するという確固たる意志を再度強調した。このような進展を基に、両国の長官たちは戦作権転換に向けて努力を続けることにした。

両国の長官たちは北韓（北朝鮮）の核・弾道ミサイル問題が同盟の優先関心事であることを強調し、この問題に対処し解決するという共同の意志を再確認した。両国の長官たちは北朝鮮を含む国際社会が関連する国連安保理決議を完全に履行することが重要であることを確認した。韓米は、韓半島に関するすべての問題を緊密に調整している。両国の長官たちはこれらの問題が韓米間で完全に調整された対北朝鮮戦略の下で扱われるべきだということで意見を共にした。このために、両国の長官たちは、進行中の米国の対北朝鮮政策の検討と関連し、高官級協議を続けていくことにした。

両国の長官たちは韓米日3国の協力の重要性を確認し、域内の平和、安全保障、そして繁栄を増進するために相互互恵的かつ未来志向的な協力を続けていくことにした。

域内の安全保障環境に対する漸増する挑戦を背景に、韓米同盟が共有する価値は、規範に基づいた国際秩序を毀損し不安定にするすべての行為に反対するという両国の公約を支えるものだ。

韓米は平和と安定を維持し、合法的な交易を妨害されず、国際法を尊重するという両国共同の意志を強調した。韓米は韓国の新南方政策との連携協力を通じて、自由で開放されたインド太平洋地域を作るために共に協力していくという決意を再度強調した。両国はASEAN中心性と他の地域的努力を支援するために共に献身していく。両国の長官たちは進行中の二国間対話が太平洋の島嶼国およびメコン小地域での協調拡大に寄与していることを評価した。

両国の長官たちは漸増しつつある汎世界的な挑戦に共同で対応するため、連帯と協力を増進させる上で韓米が果たしてきた役割を強調した。両国の長官たちは貿易、保健、非拡散（不拡散）、原子力、新型コロナ、気候危機への対応、宇宙、サイバー安全保障など様々な分野で協力を深めていくことにした。

両国の長官たちは、共有する価値に基づき信頼で結ばれた韓米同盟が、いつにも増して強力であることを強調した。挑戦と機会の時代を迎え、両国の長官たちは韓米同盟の躍動性と互恵性、そして無限の潜在力に注目しつつ、今後も両国間の協力をさらに深め、発展させていくことにした。

The New Stance編集部 他の記事