「韓国はじめ世界の支援に感謝」、ミャンマー民主化運動家ミンコーナイン氏が光州に手紙
「韓国はじめ世界の支援に感謝」、ミャンマー民主化運動家ミンコーナイン氏が光州に手紙
  • The New Stance編集部
  • 承認 2021.03.28 16:28
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国際的な孤立、軍事独裁政権への抵抗という共通点から比べられることが多い、2021年のミャンマー民主化運動と1980年5月の「5.18光州民主化運動」。過去に「光州人権賞」を受賞し、韓国とのつながりの深いミャンマーの民主化運動家リーダーの一人、ミンコーナイン氏が韓国社会に向けた手紙を送った。
ミャンマーの民主化運動家ミンコーナイン氏。「5.18記念財団」提供。
ミャンマーの民主化運動家ミンコーナイン氏。「5.18記念財団」提供。

●「苦しい時に手を差し伸べてくれる友人が真の友人」

26日、光州(クァンジュ)市の「5.18記念財団」は、ミャンマーの著名な民主運動家であるミンコーナイン氏から、ミャンマー市民による民主化要求デモに対する韓国市民の連帯と支持に感謝する手紙が届いたと明かした。

同氏は、1988年にビルマ(当時)で起きた民主化を求める「8888民主化運動」のリーダーの一人。‘全ビルマ学生連盟’を率い軍事独裁に対抗したが翌年逮捕され、収監された。その後04年に釈放された後にも民主化運動を続け、07年にふたたび逮捕され65年の禁錮刑を受けていた。12年1月に再度釈放され、今なお民主化運動を続けている同国の代表的な民主化運動家だ。

また、09年には「光州人権賞」を受賞し、釈放後の12年5月には直接光州を訪ね「5.18民主化運動」記念行事に参加したこともある。

ミンコーナイン氏は23日に送った手紙で、「苦しい時に手を差し伸べてくれる友だちが真の友だちであるという言葉通り、皆さんの支持が私たちに大きな力となっている」とした。

また、「私たちの民主主義は自らの手で守るという自力更生の決意で、ミャンマーの国民たちは全ての力を会わせて逃走に臨んでいる」とし、「この革命の成功のために私たちは命を進んで差し出す準備ができている」と強調した。

その上で、「韓国の皆さんを含め、世界の市民たちが送ってくれる激励と連帯、支持、そして支援の手に感謝の言葉を伝える」とし、「国際社会の支持と連帯は、私たちにとって大きな力となっており、これを推進力にし、私たちは勝利のその日を近づけられると確信している」と書いた。

以下はミンコーナイン氏の手紙の日本語訳だ。「5.18記念財団」が提供したものを翻訳した。写真も同財団による。

ミンコーナイン氏が送った直筆の手紙。「5.18記念財団」提供。
ミンコーナイン氏が送った直筆の手紙。「5.18記念財団」提供。

●ミンコーナイン氏、光州「5.18記念財団」手紙全文

5·18記念財団
親愛なる友人と同志の皆さん。

皆さんが送ってくださった激励と思いやりの手紙を、受け取りました。皆さんはミャンマーの国民が主導するミャンマーの春の革命をご存知のことと思います。軍隊と警察が平和的にデモ行っていた非武装の市民をどのように残忍に鎮圧しているのかもご覧になったでしょう。

しかし市民たちは無慈悲な武力鎮圧に、非暴力的な方法で対応してきました。その結果、2月初めから3月23日まで250人以上の英雄が命を失ったことが確認されました。正確に把握されていない死者もまた、多いです。さらに2,500~3,000人を超える人々が逮捕されました。

今回の出来事は、ミャンマーでは全く目新しいことではありません。1962年3月2日の軍事クーデターの時期から集計するならば、革命のために命を捧げた人々の数は、はるかに多いです。1962年、1969年、1974年、1975年、そして1988年にあった革命の血の記録が鮮明に残っています。

韓国で5.18抗争(5.18光州民主化運動)が起きた時、私たちはすぐに知ることができませんでした。通信技術が発達していなかったこともありますが、メディアへの検閲が厳しく、一層わかりませんでした。しかし一部の大使館を通じて入手したTimesやNewsweekのような外国の雑誌を通じて5.18の実状を知り、私たちは大きな衝撃を受けました。

初めは驚きました。その次には、韓国の学生、国民の勇気と闘志がうらやましかったです。だからこそ、その勇気と闘志を賞賛し見習おうとして、韓国の知らせを互いに共有しました。

ミャンマーの1988年抗争の際、韓国の5.18民主化運動をはじめ、圧制に抵抗する世界の人々の闘争の先例が、私たちにとって大きな教訓となりました。

2012年に刑務所から釈放された私は韓国を訪問し、同年の5.18記念行事に参加しました。5.18当時、闘った韓国の友人たちが拳を掲げ(デモで歌った)闘争の歌を再び歌い、旗を高く掲げるのを見て、過去、5.18当時の現場に戻ったような感じを受けました。この日の記念行事の経験は、私に5.18の一員として、彼らの意志と闘争の歴史に共感を与えてくれました。

私たちは、進行中のミャンマーの春の革命を、これ以上罪のない市民の犠牲なく勝利に導かなければなりません。これまで皆さんが送ってくださった声援と支持を通じて、私は皆さんも同じ気持ちだということを理解しています。

"苦しい時に手を差し伸べてくれる友人が真の友人"という言葉どおり、皆さんの支持が私たちの大きな力になっています。

私たちミャンマーの国民は、私たちの民主主義を自らの手で守るという自力更生の決意をもって、私たちのすべての力を結集し、闘争に臨んでいます。

韓国にいらっしゃる皆さんを含め、世界中の市民たちが送ってくれる激励と連帯と支持、そして支援の手に感謝の言葉を伝えます。オンラインで、または直接大使館前や広場に出て、ミャンマーの春を支持し、軍部クーデター勢力の退陣を求める声を集めていただき、本当にありがとうございます。

もう一度申し上げますが、現在進行中のミャンマーの春は、ミャンマーだけでなく世界的な危機状況と言えます。そして、新しい時代を切り開くこの革命の主体は、まさにミャンマーの国民です。この革命の成功のために、私たちは私たちの命を進んで捧げる準備ができています。

国際社会の支持と連帯は私たちに大きな力となっており、これを推進力にして私たちは勝利の日を近づけられると確信しています。

是非、私のこの書簡を世界中の市民と共有してください。

ありがとうございます。

2021年3月23日
ミンコーナイン


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