(1)李在明(共に民主党)
2泊3日の日程で全羅北道を訪れ選挙活動を行っている李在明(イ・ジェミョン、57)候補は5日、井邑(チョンウプ)市のセムコウル市場で、地元の市民たちと交流した。
李候補はこの日の演説で、接戦を繰り広げている最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソギョル)候補に対する直接的な批判を行った。
特に、尹錫悦の選対本部に検事出身の人物が多数参加している点を取り上げ、「あらゆる前職の検事で作られた勢力が来年の選挙に勝ち、検察国家を作ろうと挑戦している」と言及し、「検察の検察による検察の国家は、絶対にしては(作らせては)ならない」と述べた。
また、政権交替を掲げる尹候補に対し「過去に対する復讐は個人的なことだ。国家の指導者である大統領は経済を運営し、民生を改善し未来に向けて進まなければならない」と語った。
李候補はさらに、井邑市を含む全羅北道を「120余年前、権力の収奪と横暴に抵抗し、皆が平等な大同の世を夢見た東学革命の発祥地」とし、これに自身が掲げる「大同の世」を重ね、「韓国を世界的な先導国家に、皆がよい暮らしをする大同の世を作る」ビジョンを明かした。

(2)尹錫悦(国民の力)
国民の力の尹錫悦(ユン・ソギョル、60)候補は5日、同党の総括選対委員長として合流が決まった、「キングメーカー」こと金鐘仁(キム・ジョンイン、80)氏とソウル市内の党舎で会合を持った。
今年4月まで同党の非常対策委員長を務め、ソウル・釜山市長補欠選挙を勝利に導いた金氏は、選対本部の人選をめぐり尹候補と対立し、一時は「政治のことは二度と話さない」とまで語っていたが、尹候補陣営の説得に折れた形だ。
韓国メディアによると尹候補は金氏との会合に先立ち、「話すことがあるから来て欲しい」と述べ、会合後には「政策などの部分について話をしたが、細かい部分は覚えていない」と笑った。
一方、金氏は記者団に対し「大統領候補が持つべき関心事と公約などについて話をした」と明かした。

(3)沈相奵(正義党)
第二野党・正義党の沈相奵(シム・サンジョン、62)候補はこの日午前、韓国のラジオ番組『MBNチョン・ウンガプの集中分析』に出演した。
沈候補は番組の中で、議席の9割以上を占める巨大両党(共に民主党169議席、国民の力103議席、定数300)に対抗するための「第三地帯」の形成について、「次期大統領が成すべき核心的な課題を中心に勢力を糾合する考え」と明かした。
具体的な課題としては「グリーン統合、進歩連帯、中道共調」という三つの軸を提示し、それぞれを「気候危機の克服、不平等の克服、政治改革」と読み解いた。
注目される第三野党・国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補との一本化については「まだ時期尚早だと思う」としながらも、互いに共調できない両党(共に民主党、国民の力)体制がその間、政治を後退させてきたと持論を明かした。なお、沈候補は「完走する」と番組で繰り返し述べている。
また、政策については長所である労働問題を強調した。沈候補は「昨年一年間、正規雇用(正社員)が1万人増えたが、非正規雇用(契約職)が54万人増えた」と統計を示し、「非正規雇用の半数が雇用保険や健康保険の適用外にある」と指摘した。
その上で、「これは能力主義のために発生した差別ではなく、制度的な不備・不平等のために作られた差別である」とし、国が積極的に補完する必要があるとしながら第一号の公約である『新労働法』に言及した。

(4)安哲秀(国民の党)
第三野党・国民の党の安哲秀候補は5日、忠清北道(チュンチョンプクド)の清州(チョンジュ)市内の市場を訪れた。立候補後、初の忠清北道訪問となる。
安候補は市場内で行った演説の中で、「私は医師出身だ。誰よりも防疫をしっかりと行える」、「振り返れば、過去の各政権で新たな疾病が登場した。次の5年にもこれまでに見たこともない疾病が出現するだろう」と自身をアピールした。
また、自身が過去、IT企業を運営していたことを例に挙げ、「小商工人と自営業社の苦労を誰よりも知っている」と述べ、この経験を基に「中小企業がうまくいく国を作ることができる」と支持を訴えた。

(5)金東兗(新しい波)
新党・新しい波の金東兗(キム・ドンヨン、64)候補は5日、京畿道(キョンギド)安養(アニャン)市内で行われた同党の京畿道党創党(結党)大会に参加した。
金候補はこの席で、「古い政治家たちにこの国を任せられますか。皆さんが過去40年間、いわゆる保守といわゆる進歩が権力を『分占(分け合い一人占めする意)』しながら、権力を行ったり来たりさせながらこの国の政治をここまでにしてしまった。勢力を交替しなければならない。一握りの政治家がこの国をこれ以上左右するのを見過ごせない」と持論を述べた。
新しい波はこの日の結党大会を区切りに、政党の成立要件となる「全国5つ以上の支部」の成立を終えた。今後は中央党の結党を経て正式な政党となる。金候補はこれまで、「結党と同時に両党に宣戦布告する」と繰り返し述べている。
