(1)李在明(共に民主党)
与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン、57)候補は8日午前、ソウル市内の加山(カサン)デジタル団地で、中小・ベンチャー企業に関する公約を発表した。同地域は韓国の中小ベンチャー企業が多く集まる地域の一つだ。
李候補はこの場で、未来の韓国のビジョンについて、「今年、OECDは韓国に先進国の地位を付与した。韓国はより富強な、より豊かな国に跳躍すべきだ。青年の希望にあふれた夢が実現する国、壮年の今日が安定している国、老年の生活が平安な国を作るべきだ」と明かした。
また、「一部の既得権層と特権層だけがよく暮らす国は富強な国、豊かな国と言えない」とし、「国民が富強で、国民が豊かになるための条件は一にも二にも三にも『公正』だ。創意と革新が自由に発揮される市場の秩序は、公正の土台の上に始まる」と述べた。
その上で、(1)大企業と中小企業間の力の均衡を回復させ、「相生の価値」を実現させる、(2)起業家が尊敬され、労働者が幸せな「ブランド中小企業の国」を作る、(3)「中小起業が強い経済構造」を作り、グローバルな競争力を持てるようにする、(4)中小企業の「成功的なデジタル転換」を支援する、(5)果敢なベンチャー投資で「革新創業国家」を建設する、(6)堅固なベンチャー企業の成長経路を作り「グローバルトップ3」ベンチャー大韓民国として飛躍する、(7)失敗も資産となる「再挑戦が可能な国」を作る、という7つの公約を明かした。
また、2027年までに政府が中小・ベンチャー企業分野に100兆ウォン(約10兆円)の投資を行うと述べた。

(2)尹錫悦(国民の力)
最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソギョル、60)候補は8日、ソウル市内の大学路(テハンノ)を訪れ、青年層の文化・芸術家たちと懇談会を行った。
韓国メディアによるとこの席で尹候補は、「新型コロナによる『集合禁止(韓国ではコロナ防疫のため一定人数以上の公演などを禁止している)』が続く中、もはや崖っぷちの一歩手前のようだ」と芸術分野への現状認識を示した。
その上で、「福祉という言葉よよく、食べて生活するといった基礎生活を保障し、病気の際に最小限治療を受けられるようにするものと考えらるが、文化の領域にも福祉という概念が必要だ」とし、「政府が莫大な文化の需要を先に作るシステムを構築する必要がある考え、まずは文化に財政を多く投入し、お金を多く使うべき」と持論を述べた。

(3)沈相奵候補(正義党)
第二野党・正義党の沈相奵(シム・サンジョン、62)候補はこの日、全羅南道(チョルラナムド)を訪れ選挙活動を行った。順川(スンチョン)市では障害者の自立支援センターと訪問した。
韓国メディア『ノーカットニュース』によると、同センターで障害を持つ当事者や市民団体と懇談会を行った沈候補はこの席で、「皆が『投票する人がいない』と言うが、これは長い間、両党の候補だけを選んできたから」と述べた。
「両党」とは本紙でも繰り返し書いているように、与党・共に民主党(169議席)と最大野党・と区民の力(105議席)を指す。定数300の韓国国会で、両党で総議席の約93%を占める。
沈候補は続けて、「両党体制ではなく、市民たちが均等に代弁される多党制に変わり、国民が支持する分だけ、責任をもって連立しよう」と述べ、「20年間政治をしてきたが、その間、両党と協力してきた。両党共に今の体制が幸せなのだろう。既得権を握り何でもできる」と韓国政治に問題を提起した。
その上で沈候補は「市民が政界改編を主導して欲しい。沈相奵を大統領にすることは、市民が政界再編を主導するのと同じことだ」とし、「両党体制が倒れ、分化が起きるだろうし、2024年(次期総選挙)になれば多党制が定着するだろう。これが今回の大統領選で正義党の目標だ」と述べた。

(4)安哲秀(国民の党)
第三野党・国民の党の安哲秀(アン・チョルス、62)候補は8日午後、ソウル市内で同党の地域別の選対委員長51人に任命状を手渡した。
韓国メディアによると安候補はこの席で、「世宗大王(セジョンテワン、朝鮮時代の王。在位1418~1450)の在任30年間で作った業績・制度・産業のおかげで朝鮮王朝が500人維持された」とし、「これからはリーダーが科学技術をしっかりと理解すべき時代」と主張した。安候補は医師であり、著名IT企業の創業者でもある。
安候補はさらに「次の大統領は『第二の漢江の奇跡』を実現する歴史的な使命がある」と持論を述べ、「一日も早く大統領選の話題が、技術覇権戦争時代における韓国の生存戦略と未来の議論に変わることを心から望む」と述べた。

(5)金東兗(新しい波)
8日、新党・新しい波の金東兗(キム・ドンヨン、64)候補の公開日程は無かった。近日中に同党の中央党結党大会が開かれる見通しだ。