[韓国大統領選D-72]写真で見る主要候補の選挙活動(12月27日)
[韓国大統領選D-72]写真で見る主要候補の選挙活動(12月27日)
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2021.12.27 14:52
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来年3月9日の大統領選投票日まで、主要候補の動静を写真で追うシリーズ。今回は各候補の12月26日の選挙活動のうち、目に止まった内容を紹介します。

(1)李在明(共に民主党)

与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン、57)候補は26日午後、同党主催の「国民班常会」に出演した。班常会とは、日本で言う町内会長の集まりのようなもので、この際には有権者の代表者との話し合いを指す。

「公共産後調理院をお願いします!」と銘打たれたこの日の集会は同候補のYoutubeで生中継された。産後調理院とは韓国独特の施設で、一般的に出産直後の母と子が共に入所し、二週間を過ごしながら、母が体力の回復に務める。新生児ケアや巡回医療、母のマッサージなどのサービスが特徴だ。

施設の利用には通常、二週間で約20万円以上かかるが、出生率の低下に歯止めをかけるため、韓国の各自治体でより安価な公共産後調理院を運営している。李候補も京畿道知事時代の2019年に驪州(ヨジュ)市に公共産後調理院をオープンさせている。

韓国メディアによると、この日の会で李在明候補は、「公共産後調理院を一つ建てるのに約50億ウォン(約5億円)かかる。(必要な分は)400か所あれば足りる」と述べた。

また、「全国でたくさん公共産後調理院を作り、良い施設で安く安全に子どもを産み、産後調理を行えればいい。出産後2〜3週間だけでも良い環境で『国が私をこうやって助けてくれる』と考えてもらうのが重要だ」と述べた。

一方この日、共に民主党は第三野党・開かれた民主党との統合に合意した。開かれた民主党は20年4月の総選挙の際に設立された政党で、親文在寅色が強い。3議席を保有しているため、統合後の与党・共に民主党の議席数は172となる(定数300)。

26日午後、同党主催の「国民班常会」に出演した李在明候補(右上)。同党Youtubeよりキャプチャ。
26日午後、同党主催の「国民班常会」に出演した李在明候補(右上)。同党Youtubeよりキャプチャ。

(2)尹錫悦(国民の力)

最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソギョル、61)候補は26日午前、同党党舎で「常識回復の公約—成長と福祉の好循環」を発表した。

この中で尹候補は、「政治の最終目標はすべての国民を幸せにする点にあると信じる」とし、「その間、韓国経済は世界10位圏の規模にまで成長したが、その分だけ(比例して)国民が幸せにはならなかった」と述べた。

尹候補はさらに、「規模だけ育てる成長経済から、生活の質を高める幸福経済に革新させる」とし、「経済の成長潜在力を2倍に育て、良い雇用が2倍以上作られるよう、政策を進めていく」と語った。

その上で、「雇用創出」分野において、▲バイオや ITなど新産業の生態系を作り、創意型の雇用創出、▲年代ごとに合わせた雇用政策、▲中小企業の中堅企業・大企業へのスケールアップを積極支援という公約を発表した。

さらに、「社会のセーフティネットの強化」分野において、▲社会的に脆弱な層の生活が国が確実に責任を持つ、▲ワーキングプア層の所得の上昇のための制度改善、▲急な環境悪化に直面した国民に対する緊急福祉支援制度の拡大による「国家チャンス」の提供、などを明かした。

またこの日午後、尹候補の夫人・金建希(キム・ゴニ、49)氏が自身の経歴詐称に対する謝罪会見を行った。

金氏は「夫が私のために現在、とても困難な立場に立たされている(中略)私が愛して尊敬する夫・尹錫悦の前で、私の姿がとても恥ずかしい」とし、「過去の失敗を反省し、国民の目線にそぐわないよう気を付ける」と謝罪した。また、「夫が大統領になっても妻の役割だけ忠実に行う」とファーストレディーとしての役割を放棄するような発言も行った。

26日午前、同党党舎で「常識回復の公約—成長と福祉の好循環」を発表した尹錫悦候補(中央)。国民の力提供。
26日午前、同党党舎で「常識回復の公約—成長と福祉の好循環」を発表した尹錫悦候補(中央)。国民の力提供。
26日午後、国民の力党舎で謝罪会見を行った金建希氏。尹錫悦候補のYouTubeより引用。
26日午後、国民の力党舎で謝罪会見を行った金建希氏。尹錫悦候補のYouTubeより引用。

(3)沈相奵(正義党)

第二野党・正義党の沈相奵(シム・サンジョン、62)候補は26日、公開日程がなかった。

(4)安哲秀(国民の党)

第三野党・国民の党の安哲秀(アン・チョルス、62)候補は26日、公開日程がなかった。

(5)金東兗(新しい波)

新党・新しい波の金東兗(キム・ドンヨン、64)候補は26日夜、支持者とzoomを通じ対話するイベントに出席した。

この席で金候補は、「『一貫性、透明性、疎通』の側面から文政権の新型コロナ対策が失敗した」とし、「特に小商工人と自営業者が政府の防疫対策に積極的に協力し順応したが、もっとも大きな被害を受けた」と明かした。

その上で、「先支援、後精算、損失補償率100%支援」という内容に加え、現在の予算内容からSOC部門などを削り30兆ウォン(約3兆円)の財源を確保する既存の公約を強調した。

また、「新型コロナ下でのインフレは矛盾しているように思える」という質問に対し、「韓国経済は新型コロナ以前から沈滞期に入っていた。その上にコロナが来ていた」と持論を述べた。

26日夜、支持者とzoomを通じ対話するイベントに出席した金東兗候補。新しい波提供。
26日夜、支持者とzoomを通じ対話するイベントに出席した金東兗候補。新しい波提供。


 


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