(1)李在明(共に民主党)
与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン、57)候補は28日午後、ソウル市内で行われた韓国地域(地方)言論人クラブ招請討論会に出席した。この討論会は韓国の有力地方紙が主催するもの。
韓国メディアによると李候補はこの席で、「今回の大統領選は、大邱(テグ)市・慶尚北道と、首都圏ではソウルが激戦地となると見る」とし、「ソウルは伝統的に共に民主党の支持が強かったが、今回は不動産問題や経済成長における問題のため、ソウルがとても厳しい。ソウルを復旧するのが重要な課題だ」と述べた。
また、首都圏に集中する開発を地方に均衡に分配しようという「国家均衡発展戦略」については、「財政や、企業・公共機関・教育機関の配置、インフラの構築分野で、地方に優先的な加重値を置いて考慮すべきだ」と主張した。
さらにその一例として、「大統領の就任式を世宗(セジョン)市で行うことも公約とすることを考えている」と明かした。一方、李候補は最優先すべき国政課題として、「経済成長と公正性の回復」を挙げた。

(2)尹錫悦(国民の力)
最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソギョル、61)候補は28日午前、ソウル市内で行われた韓国放送記者クラブ招請討論会に出席した。
韓国メディアによると尹候補はこの席で、先日特赦が決まった朴槿恵前大統領について、「朴槿恵前大統領の捜査は公職者として私の職分によるものだったとしても、政治的・情緒的にはとても申し訳ない気持ちを人間的に持っている」と述べた。
また、朴前大統領を訪問する予定を聞く質問に対しては、「健康回復が優先である状況で、私が会いに行くとすることが望ましいとは思わない。今は朴前大統領の早期の健康回復を願うだけ」と答えた。
また、特赦の対象に含まれなかった李明博元大統領に対しては「前職の大統領が長期にわたって収監される姿が国際的にも、国民の未来のためにもいったい望ましいのかについて、大きな疑問を持っている」と心情を明かした。

(3)沈相奵(正義党)
第二野党・正義党の沈相奵(シム・サンジョン、62)候補は28日夕方、全羅北道群山(クンサン)市内の群山医療院のストライキ会場を訪問した。
韓国で医療院とは、公共病院を指す。群山医療院は新型コロナ専門病院として全ての病棟を中等症状の患者用に運営してきた。ストライキを行っている医療陣は、「9〜10時間、水一滴も飲めないほどの」とてつもない労働の強度であると明かし、処遇や環境の改善を訴え17日からストライキを行っている。
沈候補はこの席で、「私の訪問により、皆さんの厳しい事情が広まれば、国民の皆が皆さんに拍手を送り、必ず改善されるよう力を合わせてくれると考える」とし、「新型コロナの前に身を投げうって耐えてきた私たちの保健医療労働者たちがこんな処遇を受けるべきとは思わない」と述べた。

(4)安哲秀(国民の党)
第三野党・国民の党の安哲秀(アン・チョルス、62)候補は28日、自身のFacebookページにて、政府の新型コロナ対策を批判した。
安候補は「政府の無能が呼んだ新型コロナの拡散はすべて、小商工人と自営業者の苦痛へとつながっている。年末特需を期待していた彼らの虚脱感と怒りは天に届く」とした。
これは、11月から政府が始めた「ウィズコロナ」政策が、想定外の感染者増につながり、12月中旬から再び「ソーシャルディスタンスの強化」政策を政府が強制している現状を指すもの。
その上で安候補は、▲ワクチンパスを導入したならば一律的な営業時間制限を解くべき、▲ワクチンパスを違反した店舗に対する過度の違反金を調整すべき、▲三密の条件による科学的な防疫指針を作るべき、▲大統領が全面に出て追加ワクチン接種を呼びかけ、飲む治療剤の確保を急ぐべき、と訴えた。
安候補はまた、防疫の基本について「政治防疫ではなく科学防疫であり、行動統制防疫ではなく国民参加型防疫である」と主張した。

(5)金東兗(新しい波)
新党・新しい波の金東兗(キム・ドンヨン、64)候補は28日午後、国会で開催された「児童福祉とケアの懸案と対策」という討論会に出席した。
金候補はこの席で、「企画財政部(日本の財務省にあたる)長官出身の大統領候補として、マクロ的な観点から児童福祉は二つ側面からとても重要だ」とし、「一つは教育を通じ社会的な階層移動が活発になる点、もう一つは教育という国家の全体的な投資の効率性の部分」を挙げた。
金候補はさらに、「現在の児童福祉センターの従事者の処遇、サービスの品質、予算など多くの部分に問題がある」とし、「児童ケアシステムを利用者中心に整備すべき」と述べた。
