(1)李在明(共に民主党)
与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン、57)候補は30日午後、仁川市内にある韓国の西海(黄海)5島特別警備団を訪問した。
韓国メディアによるよ、李候補は現地で開いた懇談会の席で「国家の間では互いに配慮し、配慮の前に領土の主権を尊重することが当然必要になる」とし、「武力で抵抗しようとする行為に対しては『無寛容の強硬措置』が必要だ」と述べた。同地域ではここ数年、中国の違法漁業船団との間に緊張が高まっている。
李候補はまた、「中国と韓国の関係は、ともに協力する協力同伴者とするほど重要な関係だ。もうすぐ韓中修好30周年を迎えるが、最近は東北工程、さらに文化工程まで取りざたされるほど憂慮の声が強い」と指摘した。
その上で、「外交的な努力がより必要になってくる」との認識を示した。
次いで31日午後には、ソウル市内の党舎で医療部門の公約を発表した。「公共医療の拡充政策公約」と名付けられたこの政策の中で李候補は、新型コロナの拡散が続く中、「今なおしっかりとした施設を持つ感染症専門病院がなく、公共病床は10%に過ぎない」と政府の対策不足を指摘した。
そして李候補が過去、城南市長を務めた際に公共医療院を建設した点を挙げ、「大韓民国の公共医療の転換期を作る」と主張した。
その上で、▲70の中診療圏それぞれに公共病院を一つ建設する、▲必須の医療人員を充分に確保する、▲地域の医療機関での協力システムを構築する、▲「全国民が主治医を持つ時代」を開く、という4つの公約を掲げた。


(2)尹錫悦(国民の力)
最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソギョル、61)候補は30日、慶尚北道の漆谷郡にある多富洞(タブドン)戦績碑を訪ねた。同地は、朝鮮戦争勃発後最大の激戦地の一つで、追い込まれた韓国軍と米軍が最終防衛ラインとして守り抜いた地域だ。
尹候補はこの場で、「政治の一年生であるが、この国の倒れゆく自由民主主義を守らなければならないという気持ちで政権交替に名乗り出た」とし、「この勢力(与党を指す)に立ち向かい、必ず政権交替を成し遂げ、多富洞と同様にこの国の自由民主主義を確実に守る」と述べた。
尹候補は29日から、保守の牙城である大邱(テグ)市、慶尚北道(キョンサンプクト)のいわゆる「TK地域」の訪問している。尹候補はこの日、自身のFacebookに「圧倒的な北朝鮮への抑止力で戦争を予防し、わが国民の安寧と自由大韓民国を必ず守護する」と書き込んだ。
また31日には、忠清北道丹陽(タニャン)郡にある救仁(クイン)寺を訪問し、上月円覚大祖師誕生110周年を記念する法会に参加した。同寺は、韓国天台宗の総本山。
この席で尹候補は、「国民が力を合わせ困難な国をただし、護国仏教の精神で難局と危機を克服すべきと考えている」と述べた。


(3)沈相奵(正義党)
第二野党・正義党の沈相奵(シム・サンジョン、62)候補は30日午前、国会で同党の選対委員長会議を行った。
沈候補はこの席で、与党の李在明候補と最大野党・国民の力の尹錫悦候補を合わせて批判した。
李候補に対しては、「民間再開発の緩和」を掲げた点について「(最大野党の)呉世勲ソウル市長と同じ解決策なのは疑問」とし、「不動産政策は供給量ではなく、どんな供給かで競争すべき。金持ちに対するものなのか、家を持たない庶民のための供給かを明らかにすべき」と主張した。
また、尹候補に対しては、「『独裁政府は経済を確実に成長させたが文在寅政府は何をしたのか』と20分にわたってまくしたてたそうだが、転向した者の悲しさが感じられる」とし、尹候補が文在寅政権下で出世した人物であることを想起させた。
また、「尹候補は他でもない、朴槿恵前大統領の弾劾に一助したことで国民の信任を得たのにもかかわらず、本人の支持率が落ちるや『とても申し訳ない』と謝罪した。(中略)尹錫悦の原則はこんな卑屈なものだったのか」とした。
その上で「尹錫悦の民主主義は朴正熙独裁政権の権威主義のことだ」とし、「ひと言であらゆる『旧態の化身』だ」と切って捨てた。
沈候補はまた31日には国会前で、被選挙権が25歳から18歳へと引き下げられたことに関する記者会見を行った。
沈候補はこの席で、「韓国の民主主義が未来に一歩進んだ。73年間、青少年と青年の声を塞いできた被選挙権の障壁が崩れた。あえて例えると、韓国政治のベルリンの壁が崩れたようなものです」と述べた。
また、「韓国の国会議員の平均年齢は55.5歳だ。青年の挑戦を恐れる政治は決して未来に責任ととることが出来ない。私は皆さんと未来をかけて正々堂々競争する準備ができている」とし、「私、沈相奵に挑戦してください。そして、その挑戦に耐えられない政治家をすべて家に帰してあげてください」と語った。
沈候補はさらに、「今後、40歳の大統領選挙被選挙権の引き下げ、政党加入年齢の廃止などを通じ、青年が夢見る未来が一日も早く現在になるよう、政治改革により拍車をかける」と持論を展開した。

(4)安哲秀(国民の党)
第三野党・国民の党の安哲秀(アン・チョルス、62)候補は30日、31日とソウル市内の繁華街を訪れ、市民と交流した。
安候補は直近の世論調査で支持率が10%を超えるなど、20,30代を中心に尹錫悦候補の下落票を吸収し勢力を伸ばしている。これにより、与党からは「国務総理も任せられる」され、21年4月のソウル市長選で共闘した国民の力との協力可能性も話題に上っている。
こうした中、安候補は31日、ソウル市内で「候補の一本化の可能性」について聞く記者たちに対し、「私は当選するために出馬した。私が政権交替し、必ずより良い韓国を作る」と述べたと韓国メディアが報じている。
また、支持率上昇の理由を尋ねる質問に対しては「今の20,30代はあまりにも厳しい社会経済的な環境に直面している。しかし、今の大統領選で巨大両党の候補は、互いを非難し続け過去の失敗をあげつらう言葉だけを語り、青年と韓国の未来に対しては話していない」と指摘し、「私は2か月くらい、こうした話を続けてきた。そうしたことで、真心が少しずつ伝わるのではないかと考えている」と語った。

(5)金東兗(新しい波)
新党・新しい波の金東兗(キム・ドンヨン、64)候補は30日、人気YouTubeチャンネルの「ソクコーチの野球ショー」に出演した。
また、31日に公開日程は無かったが、韓国メディア『ニュースピム』とのインタビューが公開された。
この中で金候補は、最近になってとみに強まる与党・共に民主党からのラブコールに対し、「鍾路や忠清北道、ソウル市長などに出馬できると言われるが、私はあくまでも大統領候補」と拒否する姿勢を明確にした。
また、3月9日の大統領選挙当日に行われる国会議員補欠選挙や、6月1日の統一地方選挙にも同党から候補を立てることを明言した。
金候補はその上で、「大統領になって新しい韓国を作りたい。進歩・保守を超える挙国内閣を構成し、経済パラダイムを変える変化を作りたい」と述べた。
