(1)李在明(共に民主党)
与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン、57)候補は3日午前、ソウル市内の証券取引所で開かれた、証券・派生商品市場開場式および証市大同祭に参加した。
韓国メディアによると、李候補はこの席で、「韓国の資本市場がディスカウントされているのは、誰も否定できない事実である」とし、「株価操作、(株価)時勢の操作などの不公正な行為を厳正に断ち、市場に対する信頼を高め、多数の少額投資家たちが大株主などによる被害を負わないようにする公正な構造を作る」と明かした。
さらに、「成長性と透明性、公正性を備えKOSPI(韓国総合株価指数、現在は3000ポイント前後)が4000ポイントを超え5000ポイント時代を目指す大長征を現実化させていく」と持論を述べた。
李候補はまた、最大野党・国民の力の相次ぐ内紛に対しては「他人の家の話に、私が口を挟むのは適切ではない。ただ、民生に関する政策を明かす動きを続け、最近の支持率が反転(逆転)した局面を固めていきたい考えだ」と述べた。

(2)尹錫悦(国民の力)
最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソギョル、61)候補も李在明候補と同様に、3日午前、ソウル市内の証券取引所で開かれた証券・派生商品市場開場式および証市大同祭に参加した。
尹候補はこの席で、「今年はグローバルな流動性、供給の縮小といった衝撃には動じない韓国の資本市場、外国為替市場を作るべき」と述べ、「海外の投資家の立場では投資過程で外貨取引の不便さ、投資家登録の義務化、空売り活用の難しさなど、先進市場に投資する際と比べ考慮すべき要素が多い」と規制緩和を訴えた。
尹候補はさらに、「企業の実績に比べ、遅れている政治・経済システムがコリアディスカウントを作り出している」とし、「企業の支配構造の不透明性と会計処理に対する低い信頼などを継続して改善し、退職年金など老後に備える資金が資本市場に投資され、国民たちがその果実をまんべんなく享受できるよう、関連制度を整備する必要がある」と主張した。
一方この日、国民の力の党内には激震が走った。同党の選挙活動を一手に握る金鐘仁(キム・ジョンイン、80)総括選対本部長が最近の尹候補の支持率低下を受け、「選対本部の一新」を掲げたことが発端だった。
これによりこの日午前の証券取引所訪問以降の尹候補の選挙活動日程はすべてキャンセルされた。尹候補はこれを知らされておらず、金氏の一存だったとされる。3日午後には同党の議員総会が開かれ、金鐘仁氏以外のすべての選対ポストを持つ人物は辞表を提出した。
この過程で、金鐘仁氏が尹候補について「態度を改め、選対が望むように演技をしてくれれば勝てる」と述べたことも話題となった。ネットを中心に「大統領選は映画賞なのか」という批判が相次ぎ、混迷の度合いを深めている。
尹候補は3日夜、「選挙についてたくさんの方が心配しているのは候補である私のせい」とし、「私が不足しているためで、この部分に対しては深く謝罪している」と述べた。その上で「選対委員会の刷新と変化を与え、心機一転する」と決意を明かした。

(3)沈相奵(正義党)
第二野党・正義党の沈相奵(シム・サンジョン、62)候補は3日午前、国会で「政治大改革ビジョン」を発表した。
沈候補はこの席で、「スーパー大統領は何も変えられない」と主張し、「両党(共に民主党、国民の力)候補共に大統領になれば韓国社会の問題を一挙に解決できるかのように話しているが(中略)これは嘘に過ぎない」と述べた。
その理由として、「既得権となった両党が攻守を変えながら青瓦台(大統領府)の権力争奪を繰り広げる今の政治構造の中で、大統領ができることは別にない。最大限うまくやっても自身の権力と支持率の一部を維持し、任期を終えるのがすべて」と指摘した。
権力が集中する大統領制が、「政治の没落を招いた」という論理だ。沈候補はさらに「民主主義時代の大統領は権威主義時代の大統領と違わなければならない」とし、「今回の大統領選は『大統領をわが手に!』から『政治をわが手に!』へと変える政治転換の選挙になるべき」と訴えた。
沈候補はその上で、▲青瓦台の権力を分散させる、▲議会を民主政治の中心に置く、▲大統領の権力が強い国でなく市民権が強い国を作る、という公約を掲げた。

(4)安哲秀(国民の党)
第三野党・国民の党の安哲秀(アン・チョルス、62)候補は3日、韓国のケーブルテレビ局『チャンネルA』に出演した。
安候補はこの席で、最近になって与党・共に民主党が、総理などのポストと引き換えに候補一本化などを公に持ちかけている点について、「ショーのようなもので、私を除去したいということ。本当に進めたかったらこっそり提案するはずだ」と、連帯の可能性を否定した。
一方で、安哲秀候補の支持率上昇の背景に、尹錫悦候補の支持率低下があるという認識については、「単純な反社利益とは考えない。逆に文在寅政府とたたかいながら獲得してきた公正と正義の価値という反社利益が尹候補から失われたもの」と見立てた。

(5)金東兗(新しい波)
新党・新しい波の金東兗(キム・ドンヨン、64)候補は3日、未来党(0議席)との選挙連合を結成した。
未来党は2017年に結成された韓国のリベラル政党で、20代30代の党員比率が高い点が特徴だ。代表の呉太陽(オ・テヤン、46)氏は過去、2001年に宗教的な理由以外ではじめて良心的兵役拒否を宣言して以降、韓国で平和活動を行う著名な市民運動家でもある。
呉代表はこの日、「来たる大統領選で、金東兗候補と共に『機会の国』、『政治大改革』の愉快な反乱者となる」とし、両党には陣営を打破する点や青年による未来のための政治という共通点があると述べた。
呉代表はまた、「金東兗候補が現在の韓国でもっとも必要とされる人物で、この人に投票すれば気分が良く希望が見えると言える唯一の候補」と金候補を評価した。
一方、金東兗代表は「青年の声を代弁してきた未来党の支持宣言に感謝する」とし、「今回の選挙を通じ必ず『青年・機会の国』を作る」と決意を明かした。
