投開票は3月9日、韓国大統領選挙の主要日程と特徴
投開票は3月9日、韓国大統領選挙の主要日程と特徴
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2022.02.12 17:49
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韓国の次期大統領を決める第20代大統領選挙の投票日まであと25日。候補者登録や選挙運動の開始を含めた主要日程を整理した。
前回大統領選の際ソウル市内に設置された、投票を呼びかけるブース。17年5月徐台教撮影。
前回大統領選の際ソウル市内に設置された、投票を呼びかけるブース。17年5月徐台教撮影。

●寄託金は3000万円

選挙日程はまず、2月13日から14日にかけて候補者登録期間を迎える。この期間に立候補者は選挙管理委員会に登録することになる。登録者は40歳以上に限られ、寄託金として3億ウォン(約3000万円)が必要となる。

そして2月15日から、選挙運動が公式に始まる。この時から、選挙カーを使うことや、候補者の名刺配布、タスキをかけての街頭アピールならびに懸垂幕の掲示、公共の場でのマイクを使った演説などが可能になる。選挙運動は投票日前日の3月8日23時59分まで行われる。

また、3月8日までの間に選挙放送討論委員会主催による、最低3度の公開討論会が義務付けられる。討論は全国にテレビ・ラジオ・ネット中継される。

2月20日からは、街中に候補者のポスターが貼り出される。なお、前回2017年5月の選挙ポスターには15人の顔があった。

前回の大統領選挙の際の選挙ポスターの一部。記号1番の共に民主党・文在寅(ムン・ジェイン)候補が当選した。17年5月、ソウル市内で筆者撮影。
前回の大統領選挙の際の選挙ポスターの一部。記号1番の共に民主党・文在寅(ムン・ジェイン)候補が当選した。17年5月、ソウル市内で筆者撮影。

2月23日から28日にかけては、在外投票所での投票が行われる。日本の場合は東京や大阪など、全国に10か所ある韓国領事館が会場となる。先月11日、在外選挙における投票会場を増やす法案が国会で成立したが、日本では従来と変わらない。

2月25日には選挙人名簿が確定され、韓国内外の有権者数が確定する。直近の国政選挙となった20年4月15日の総選挙(国会議員選挙)では、合わせて4399万4247人だった。18歳以上が投票権を持つ。

当時、有権者が最も多い地域は京畿道(キョンギド)で1106万人、ソウル847万人、釜山(プサン)296万人、慶尚南道(キョンサンナムド)282万人、仁川(インチョン)広域市250万人の順だった。最も少ない世宗(セジョン)特別自治市は22万人、済州(チェジュ)特別自治道は55万人だった。

2月27日には投票用紙が郵送される。ここには候補者の宣伝用パンフレットや投票案内用紙が同封される。

前回の大統領選当時の際に中央選挙放送討論委員会が掲げた、テレビ討論会の日程を知らせる懸垂幕。17年5月、ソウル市内で筆者撮影。
前回の大統領選当時の際に中央選挙放送討論委員会が掲げた、テレビ討論会の日程を知らせる懸垂幕。17年5月、ソウル市内で筆者撮影。

●2日間の期日前投票

そして3月4日から5日にかけて2日間の期日前投票が行われる。時間は午前6時から午後6時までとなる。金曜日、土曜日である事に加え、新型コロナを避け分散投票が進みと見られ、たくさんの人出が予想される。

17年の前回大統領選の期日前投票率は26.06%と1000万人を超えていた。さらに、20年4月の前回総選挙でも26.69%と高い参加率を見せた。このように選挙を経るごとに、期日前投票が増える傾向にある。

さらに3月9日に投票が行われる。この日が正式な投票日だ。04年以降、公職選挙法により国政選挙の投票日は水曜日と定められ、全国で休日となる。

水曜日である理由は、前後の週末から最も遠いためだ。週末に近い日を投票日かつ休日にする場合、長期連休となり投票率が下がる可能性がある。なお、04年以前は木曜日だったが、週休二日制の定着により水曜日に変わっている。

5年間の国の舵取り役を選ぶため、韓国大統領選の投票率は高い傾向がある。前回17年5月は77.2%、前々回12年は75.8%だった。

なお、87年の民主化以降、投票率が最も高かったのは、87年12月の第13代大統領選で89.2%、最も低かったのは07年の第17代大統領選の63.0%だった。

前回大統領選当時、演説する正義党の沈相奵(シム・サンジョン)候補。今回の選挙にも立候補している。向かって右側は故魯会燦(ノ・フェチャン)議員。17年5月、筆者撮影。
前回大統領選当時、演説する正義党の沈相奵(シム・サンジョン)候補。今回の選挙にも立候補している。向かって右側は故魯会燦(ノ・フェチャン)議員。17年5月、筆者撮影。

●新型コロナで投票時間延長

3月9日の投票時間は期日前投票と同様に午前6時から午後6時までとなるが、今回の大統領選では新型コロナ感染者の投票権を考慮し、投票時間が延長される見通しだ。

具体的には9日の午後6時から午後7時半まで、新型コロナ感染者が別途投票できるようにするもので、今月14日に選挙法が改正される見通しだ。

開票は即日行われる。従来は午後6時に主要メディアが出口調査に基づく結果を公表し趨勢が判明したが、上記の事情もあり今回は出口調査の結果は午後7時半以降に発表されるものと予測される。

当選した候補者は「大統領当選人」という法的な地位を得て、「大統領職引受委員会」を設置する。最大24人で構成される同委員会は文字通り政権発足の準備をするもので、ここに参加する人物が次政権の中枢を担うことになる。

「大統領当選人は」22年5月10日0時をもって正式に第20代大統領に就任する。就任式は5月10日に行われる予定で、任期は5年となる。

17年5月9日、就任式を終えた国会前から青瓦台(大統領府)まで、ソウル市内で簡単なパレードを行った文在寅大統領。筆者撮影。
17年5月9日、就任式を終えた国会前から青瓦台(大統領府)まで、ソウル市内で簡単なパレードを行った文在寅大統領。筆者撮影。

 


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